波乱相場で魅力高まる世界資産分散型ファンドとは=米モーニングスター

 世界の金融市場が危機的状況にある中で、国内外の資産に分散投資するタイプの「世界資産分散型」ファンドが投資家の救いとなっている。これは株式のほかに、資産の40%前後を現金、短期金融商品、信用度の高い外国または米国の中期債に分散投資するファンドだ。世界中で株価が下落しているにも関わらず、世界資産分散型ファンドは幅広い投資対象を持つことで損失を抑えている。国際株式型や国際債券型というファンドもあり、世界全体で投資機会を狙える点は共通しているが、資産が株または債券のいずれかに偏っている点でリスクが大きい。さすがにここ数カ月の金融市場の混乱を受けて、世界資産分散型の平均パフォーマンスは年初来(10月3日まで)で21%のマイナスとなっているが、国際株式型ファンドに比べて9%、米国大型株ファンドに比べて3〜7%も高い投資成績を残している。
 世界資産分散型の比較的堅調なパフォーマンスは偶然ではない。3年、5年、10年、15年の期間でみても国際株式型を上回っている。また、債券が変動を抑える効果を持つため、株式型のファンドに比べ変動性が大幅に低くなっている。
 もっとも、世界資産分散型のリターンが今後も他のタイプのファンドより高いとは限らない。過去10年は債券がファンドの高リターンに貢献したが、世界の株式が今後大幅に上昇すれば、国際株式型の方が有利となる。また、世界資産分散型に分類される54本のファンドのうち、約半分は設定が06〜08年と最近であることから、本当の実力が証明されていない。
 こうした注意点はあるものの、長期にわたり変動を抑えながら安定的なリターンを生み出せる世界資産分散型の魅力は高い。また、国際株式型に比べて手数料などのコストが低い点も評価できる。特に現在のような波乱相場では、リスク回避型の投資家の注目を集めるだろう。(2008年10月7日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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