野村AMの「日本低位株ファンド」、日本株ファンドのなかで過去10年トータルリターンが1位(1)

 野村アセットマネジメントが1993年6月から設定・運用している日本株に投資するファンド「日本低位株ファンド」(追加型/国内/株式)<1993061001>。同ファンドは2010年3月末時点での過去10年間(年率)のトータルリターンが7.88%のプラスと、国内株式を主要投資対象としたファンド(全122本)のなかで1位。同ファンドの過去5年間(同)のトータルリターンはマイナス1.26%、過去3年間(同)もマイナス9.83%だが、直近1年間のトータルリターンは39.21%のプラスと対象ファンド(350本)のなかでも上位となっている。10年3月末時点での純資産額は81.1億円。長期で良好なパフォーマンスであることから、同種の運用スキームを活用した限定追加型ファンドも過去に設定されている(流動性をより勘案した銘柄選別を行うなど、細部においては若干の差異がある)。年1回決算(3月29日)。販売会社は野村証券。

 同ファンドは、東証一部上場銘柄のなかから株価の低い銘柄(低位株)を選定し、流動性やファンダメンタルズなどのチェックを経て、200銘柄程度に分散したポートフォリオを構築する。投資対象銘柄には基本的に同じ金額を投資することで、「低位株」に投資する際に最も注意すべき投資対象企業の倒産といったリスクの低減を狙っている。「パフォーマンス毀(き)損要因を排除し、低位株の魅力の一つである変動幅の大きさを狙う仕組みとなる」(開発商品運用部シニア・ファンドマネジャー 佐藤浩和氏)という。

 ポートフォリオ構築では、まず東証1部上場銘柄のなかから売買代金が下位の20%を除く。そのなかから、株価水準の低位30%程度を母集団とする。流動性、ファンダメンタルズなどを勘案しながら、最終的には200銘柄程度でポートフォリオを形成する。低位株では流動性の低さが投資のネックとなり、売買執行時にコスト高につながることから、投資対象をある程度流動性のある銘柄に限定する。
 一方、年4回(うち2回は銘柄を見直す)の定期的なリバランスを行い、各銘柄の投資金額をほぼ同じ金額に保っている。日々の売買執行時にも、追加設定があった場合はウエートの低い銘柄から買い付けを行い、解約があった場合はウエートの高い銘柄から売却するなど、リバランスを意識した売買を行っている。
 2010年3月末時点での組み入れ銘柄数は198銘柄。業種別では、電気機器8.9%、化学8.8%となっているが、低位株が投資対象ということもあり、その他の業種が54.6%と一番多い。

 投資対象には、時には最終赤字となっている企業の株式もあるなど、投資リスクが比較的高い銘柄も含まれているが、野村AMの経済調査・企業調査分析部署の財務専任のアナリストによる調査・分析を基に財務リスクが高いと判断された銘柄については、同ファンドに組み入れない(保有銘柄のうち、財務リスクが高いと判断された場合には速やかに売却する)。
提供:モーニングスター社
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