AIGインベストメンツが主要新興国のレポートを発表(2)(ハンガリー、トルコ、南ア、インドネシア)

 AIGインベストメンツは18日、「最近の主要新成長国(8カ国)の動向について」レポートを発表した。8カ国のうち、ハンガリー、トルコ、南ア、インドネシアの見通しは以下の通り。

ハンガリー:今回の金融危機をきっかけに10月末にはIMF(国際通貨基金)、EU、世界銀行から合計251億米ドルの緊急融資を受け、資金流失の歯止めを試みた。09年の成長率は消費の低迷、財政の逼迫、外需の落ち込みから鈍化が予想される。通貨防衛から緊急利上げ(10月22日に政策金利を3%引き上げ)を行ったが、国際金融市場の落ち着きを見ながら2009年には利下げに転じてくる可能性もある。

トルコ:リスク資産からの「質への逃避」が起こり、9月末から高金利通貨であるリラは資金流出が起こり大幅に下落した。2009年は欧州やロシア経済の減速を受けてトルコ経済も減速が予想される。ただし、健全な国内ファンダメンタルズや巨額のドル建て外貨を有し、世界経済の更なる悪化が起きたとしても打撃は限定的なものに留まると考えられる。高金利通貨であるリラは今回の下落により相対的な割安感がでてきており、リラ建ての国債利回りはより魅力的な水準にまで上昇した。過度な信用リスク回避の動きが収束すれば見直し買いが起こってくるとみられる。

南アフリカ:「産業のビタミン」といわれるレアメタル(希少金属)の世界有数の産出国である強みを活かし、経済水準ではBRICs諸国と肩を並べる存在に成長。インフレ率は2008年8月の13.6%でピークアウトしたと想定され、インフレ率は目標水準(3〜6%)の上限付近で推移すると予想される。通貨ランドの下落は国内のファンダメンタルズの悪化などを受けた成長率鈍化によるものではないため、金融不安の不透明感が落ち着いてくれば、南アの再評価の機運が高まり、上昇基調に転じていく可能性が高い。

インドネシア:10月28日に国営企業の輸出収入の本国送金に対する監視強化などルピア支援措置を発表後、為替市場の変動は縮小傾向にある。適正な外貨準備高を保有し、経常収支も概ね良好であり、1997年のアジア通貨危機時の水準までルピアが下落しても、耐えうるだけの基盤がある。短期的にルピアは過剰に売られ過ぎていると思われ、中期的に上昇に転じていくことが期待される。


提供:モーニングスター社
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