大和住銀の「通貨バスケット選択型 グローバル・ハイイールド債券ファンド」、3本の通貨バスケット備える

 大和住銀投信投資顧問は9月1日、「通貨バスケット選択型 グローバル・ハイイールド債券ファンド」4コースの設定・運用を開始した。同シリーズは、世界のハイイールド債券に投資すると同時に、外国為替取引を行うことによる為替ヘッジプレミアム(コスト)を期待する仕組みの「通貨バスケット選択型」ファンド。同シリーズは「中国・インド・インドネシア通貨コース」<2010090102>、「BRICs通貨コース」<2010090103>、「世界6地域通貨コース」<2010090104>があり、これまでの「通貨選択型」ファンドにない通貨バスケットを活用したシリーズとなる。

 また、マネープールファンドも同時に設定しており、マネープールファンドへのスイッチングも可能な仕組みとなっている。毎月(原則、15日)決算(マネープールファンドは年2回<6月15日、12月15日>決算)。販売会社は宇都宮証券、東海東京証券、西日本シティTT証券、ワイエム証券。

 同シリーズは、ケイマン籍の外国投資信託証券「グローバル・ハイイールド・ボンド・ファンド」と、国内籍の親投資信託「キャッシュ・マネジメント・マザーファンド」に投資するファンド・オブ・ファンズ形式で運用を行う。原則、ファンドの純資産規模の70%以上をハイイールド債券部分に投資する。また、B格相当未満の格付けの債券への投資比率は、原則として取得時にファンドの純資産総額の30%以内という制限を設けている。主な投資対象となるハイイールド債券部分の運用については、ブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インクが行う。

 同シリーズは為替ヘッジ手法の異なる4コースからなるが、円で為替ヘッジを行う「円コース」<2010090101>に加えて、これまでに類例のない通貨バスケットである、「中国・インド・インドネシア通貨コース」「BRICs通貨コース」「世界6地域通貨コース」を用意している。「中国・インド・インドネシア通貨コース」は、アジア地域で高成長が見込まれる3カ国の通貨に実質的に均等に配分する。「BRICs通貨コース」はブラジル・レアル、ロシア・ルーブル、インド・ルピー、中国・元の4通貨に実質的に均等に配分する。「世界6地域通貨コース」は世界の主要6地域(北米、中南米、アジア、欧州、アフリカ、オセアニア)の各地域の中からそれぞれ相対的に金利水準の高い通貨に実質的に均等に投資する。足元での構成国は、カナダ、ブラジル、インドネシア、トルコ、南アフリカ、オーストラリアとなる。

 9月21日時点の各4コースの純資産額は、「円コース」の純資産額が11億円超、「中国・インド・インドネシア通貨コース」は19億円超、「BRICs通貨コース」は21億円超、「世界6地域通貨コース」は35億円超。10年6月末時点の為替ヘッジプレミアム(コスト)では、プレミアム水準自体は「BRICs通貨コース」が「世界6地域通貨コース」よりも若干上回ったもののほぼ同水準となっており、「中国・インド・インドネシア」の為替ヘッジプレミアムはやや低くなっている。「世界6地域という過去にない通貨バスケット」(投信サービス部)に加え、通貨分散によるリスク低減への期待も加わり、資金流入につながったとの見方もできる。

 主要投資対象のハイイールド債券市場は、過去には世界的な金融危機の影響から新規発行額が大きく減少したが、10年7月2日時点で約1兆1600億米ドル規模にまで拡大している。特に10年のハイイールド債券の新規発行状況はすでに90年から08年の各年間実績に相当する規模にまで伸びている。一方、米国債との利回り差(スプレッド)では、過去の金融危機からの回復過程において利回り差が縮小してきているが、長期でみた場合(86年から10年6月末までの長期での平均利回り差)の比較では、まだ足元の利回り差は過去の平均を上回っており、過去の景気回復局面に限った利回り差との比較でもいまだ魅力的な水準にあるという。

 一方、ハイイールド債券部分を運用するブラックロック・フィナンシャル・マネジメント・インクは、ボトムアップアプローチを中心に投資対象を選別する。投資ユニバースは300銘柄程度で構成される。類似ポートフォリオ(10年5月末時点、実際の投資ポートフォリオとは異なる可能性がある)の国別構成では米国が70%超と、米国が大半を占める。また、格付別構成比率ではBBが22.7%、Bが55.3%、CCC以下が14.0%。比較的B格相当の組み入れが比較的多い。

主な購入費用など
購入時手数料(税込み、上限):3.15%
運用管理費用(信託報酬、年、税込み):実質的には1.7435%(マネープールファンドは0.63%)
信託財産留保額:0.1%(マネープールファンドはなし)
提供:モーニングスター社
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