みずほ投信が通貨選択型ファンドの「エマージング債券ファンド」7ファンドを12月20日に設定(2)

 みずほ投信投資顧問は12月20日、通貨選択型ファンドの「エマージング債券ファンド」7ファンドの設定・運用を開始した。

 「エマージング債券ファンド」は、新興国債券を投資対象とし、それぞれ日本円、米ドル、豪ドル、ブラジルレアル、中国元、インドネシアルピア、資源国通貨(豪ドル、ブラジルレアル、南アフリカランドを3分の1ずつ組み合わせたもの)で為替ヘッジ(為替取引)を行うファンド(米ドルコースについては、為替取引を行わない)となる。

 同ファンドの実質的な投資対象となる新興国は、2000年以降に輸出を中心とした貿易黒字の拡大や経常収支の改善等により外貨準備高は拡大しており、同時に対外債務比率(対国内総生産比率)の縮小にもつながり、新興国の信用力が向上している。実際の投資対象となる新興国の債券市場をみると、米ドル建てのエマージング国債の利回り(JPモルガン・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・グローバル・ダイバーシファイド)は5.35%(2010年10月末時点)、米ドル建てのエマージング社債の利回り(JPモルガン・コーポレート・エマージング・マーケット・ボンド・インデックス・ダイバーシファイド)は5.50%(同)となっており、先進国の国債の利回りと比較して利回りは高いが、米国のハイイールド債券の利回りと比べると低い。

 一方、米ドル建てのエマージング国債は40カ国を超える国で発行されており、国債の格付け自体も改善傾向にある。2010年10月末時点で投資適格格付け(BBB格以上)の国債は全体の50%以上となっている。また、米ドル建てのエマージング社債は幅広い業種での発行が行われており、足元でも経済発展に伴いエマージング社債市場は拡大中という。また、格付けをみても投資適格格付けの割合が7割に達している。

 また、より格付けの低い新興国の社債等を組み入れることで利回りの高さを追求することも可能であるが、同ファンドにおいて実際に新興国債券に投資する部分では、前述した一般的な指数をやや上回る程度の利回りとなることを目指すという。銘柄の選別では、流動性などを重視した選別を行い、格付けなどはより高く安定的な銘柄の組み入れを行うことにしている。これは、同ファンドが「通貨選択型」ファンドであり、為替取引を活用することから、より流動性リスクに配慮していることによる。

 同シリーズの各「通貨選択」コースは、「円コース」<2010122001>、「米ドルコース」<2010122002>、「豪ドルコース」<2010122003>、「ブラジルレアルコース」<2010122004>、「中国元コース」<2010122005>、「インドネシアルピアコース」<2010122006>、「資源国通貨コース」<2010122007>となっており、ほかの「通貨選択型」ファンドと同様の一般的な通貨コースをそろえている。また、為替取引についても、アライアンス・バーンスタインが新興国債券の運用と同時に為替ヘッジ(為替取引)の管理を行っており、柔軟な為替管理を行うことも特徴となっている。

主な購入費用など
購入時手数料(税込み、上限):3.15%
運用管理費用(信託報酬)(税込み、年):実質的には1.724%程度
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
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