みずほ投信がJリートに投資する「通貨選択型Jリート・ファンド(毎月分配型)」を1月6日に設定(1)

 みずほ投信投資顧問は2011年1月6日、Jリートに投資する「通貨選択型」ファンドの「通貨選択型Jリート・ファンド(毎月分配型)」シリーズ4ファンド(「円コース」「米ドルコース」「豪ドルコース」「ブラジルレアルコース」)の設定・運用を開始する。

 日銀のETF(上場投資信託)やJ−REIT(Jリート、上場不動産投資信託)買い入れ表明などからJリートに注目が集まっているが、同シリーズは類例が少ないJリートに投資する「通貨選択型」ファンドとなる(他ファンドでは、東京海上アセットマネジメントの「東京海上J−REIT投信(通貨選択型)」シリーズのみ)。また、同シリーズでは各コース間のスイッチング手数料は無料となっている。毎月(原則、18日)決算。販売会社は大和証券。当初募集期間は1月5日まで。また、毎月の安定分配を目指し、第3期(2011年4月18日)以降の毎決算時に分配を行う予定。

 「通貨選択型Jリート・ファンド(毎月分配型)」シリーズは、Jリートを実質的な主要投資対象とし、為替取引(為替ヘッジ)の異なる4ファンド(円コースでは為替取引は行わない)で構成される。Jリートの「配当利回り」は株式や債券の利回りと比較して高いことに加え、今年に入って先行して上昇した世界各国のリートと比較しても、日本ではリートと債券の利回り格差はまだ大きく、相対的な投資魅力は高いという。また、政策によるJリート市場の環境整備などをきっかけに、Jリートの公募増資が増加しつつあると同時に、今後の賃料上昇が期待されるという。

 「日本の不動産市況にいよいよ改善の兆しが出てきている」(クライアントサポート部)といい、今後は公募増資などによる資金調達の増加を受けたJリートによる不動産物件取得が進めば、Jリートの価格上昇とともにJリート自体が成長事業であるとの認識が高まるとの見方だ。Jリートは利回りに注目できると同時に、キャピタルゲイン(値上がり益)を獲得することも可能になるとしている。

 同シリーズの投資対象となるJリートは投資家から集めた資金で不動産を保有し、得られた賃貸料収入や売却益を投資家に配当する金融商品である。Jリートは保有不動産の賃貸料収入が主な収入源となり、原則として利益の90%超を配当することで法人税が免除されることから、利益の大部分を分配するケースがほとんどであり、一般的に株式と比較して相対的に高い配当を享受できる仕組みとなっている。過去、Jリート市場は外国人投資家や国内機関投資家からの資金流入を受けて大きく市場が拡大したが、その後はサブプライム(信用度の低い顧客向け)ローン問題といった金融市場の大きな変動に加えて、Jリート自身の信用不安の高まりもあって大きく調整した。ただ、東証REIT指数(配当込み)は2008年10月に最安値を付けたものの、その後は値を戻しつつある状況にある。

 足元のJリート市場をみると、2009年9月には最大5000億円規模の資金繰り支援のための官民ファンド創設を行ったことで、Jリートの信用不安の解消につながった。また、2009年度の税制改正により、合併時の「負ののれん」(Jリートの合併時に、買収されるJリートの純資産が取得価額より大きい場合に生じる帳簿上の利益を指す)として計上された利益を非課税化し、法人税課税の問題を回避することが可能となった事に加え、2010年10月には日銀が新たに5兆円の基金の設立を発表し、500億円分をJリート購入に充てると発表したことでJリートの需給改善期待が高まっていることなど、Jリート市場活性化のためのさまざまな取り組みが行われている。「公募増資やM&Aといった成長に向けた次の一手を打ちやすい状況になってきている」(同)と見ている。
提供:モーニングスター社
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