フィデリティ投信は14日、「〜運用のプロに聞く〜景気サイクルと2009年の投資環境」と題したレポートを発表。同社のポートフォリオ・マネージャー、トレヴォー・グリサム氏が景気サイクルの考え方について解説している。同氏は世界の景気サイクルで資産配分戦略を構築するアセット・アロケーション・グループのディレクターとして、ファンド運用の資産配分戦略にたずさわっている。
　同レポートでは、現在は2001〜2002年と同じ状況にあるという。同氏は「現在起こっている景気後退は、世界的にあと1年かそれ以上続くかもしれず投資家にとっては厳しい状況かもしれない」とみる。一方、好材料としてインフレがピークに達していることを挙げている。
　景気回復局面への移行の条件として、（1）商品市況の下落、（2）（中央銀行による）利下げ、（3）不動産価格の上昇、の３つを挙げる。このうち、（1）と（2）は既に現実化しており、今後は（3）が「景気回復を予測する重要なサインとなる」としている。また、2009年の「サプライズ」の可能性として、エネルギー価格の下落と住宅ローン金利の低下を受け、米国の個人消費が現在の不況水準から早期に回復することを挙げている。



提供：モーニングスター社