<話題>人気集める新興国株式ETF、リターン向上に必要な「ひと工夫」とは?

 先進国の金融緩和などを背景にした新興国への投資マネー流入で、新興国の株式に投資するETF(上場投資信託)への注目度が一段と高まっている。米モーニングスターのETFアナリストであるパトリシア・オエイ氏によると、10年の米国市場では約20カ国の新興国の株式を幅広くカバーする「iシェアーズ・MSCI・エマージング・マーケット・インデックス・ファンド(EEM)」や「バンガード・エマージング・マーケット・ストック・ETF(VWO)」が人気を集めた。

 昨年のリターンはEEMが16%、VWOが19%となり、S&P500を上回った。いずれも新興国の株式に投資する代表的なETFで、外国籍ETFとして日本の証券会社でも購入可能だ。

 ただ、EEMとVWOの投資対象国であるペルーやチリ、タイ、インドネシア、マレーシアの主要株価指数は10年に30−50%の高リターンを達成したものの、「両ETFともこれらの国への投資比率が比較的低かったため、パフォーマンスを大きく押し上げる要因にはならなかった」(モーニングスターのオエイ氏)とされる。

 一方、EEMとVWOはともに中国株式の組み入れ比率が18%で最も高く、ブラジルが16%で続く。昨年は中国とブラジルの一部の大型株が低迷し、両ETFの足を引っ張った。

 EEMやVWOに関して、中国やブラジル株式への投資割合が高い点を懸念する投資家はどうすればよいだろうか。オエイ氏は1つの選択肢として、EEMやVWOを保有しつつ、特定の新興国の株価指数に連動するETFをポートフォリオに別途加えるのが有効とアドバイスする。

 ETFブランドのなかでは最大手のiシェアーズが、特定国の株価指数に連動するETFを最も豊富に取りそろえる。日本で購入できるiシェアーズのETFも増えている。最近では10年11月からインドネシア、タイ、フィリピンの株価指数に連動する3本の米国上場の外国籍ETFが国内証券を通じて投資可能となった。(坂本浩明)
提供:モーニングスター社
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