インデックスファンド最大手バンガードが海外展開を加速、「欧州でETFの新ラインアップを用意」(2)

<小型株ETFから大型株や優良株、好配当株ETFに資金シフト>

 ジノーニ氏は、11年の米国市場全体におけるETFの資金の流出入状況について、「株式相場の過熱感を懸念して小型株のETFから資金が流出する一方、大型株や優良株、好配当株に投資するETFへの資金流入が目立っている」と説明した。

 昨年は資金流入が顕著だった新興国株式ETFだが、11年入り後は状況が一変。「幅広い新興国の株式に投資するETFは資金流出超になっている模様だ」とした。もっとも、こうした厳しい環境のなかでバンガードの新興国株式ETFは11年1−4月におよそ30億ドル(約2400億円)の資金純流入を達成。好調を維持している背景には、同社が世界規模でETFビジネスを展開していることがある。ジノーニ氏は、「米国に上場する当社の新興国ETFに欧州やアジアなどから一部の資金が向かっている」と話した。

 また、バンガードのETFが低コストであることが改めて認識され、他社の商品から乗り換える動きがあったとジノーニ氏は分析。20カ国以上の新興国の株式に分散投資する同社のETF「バンガード・MSCI・エマージング・マーケットETF(VWO)」はエクスペンス・レシオ(日本の信託報酬にほぼ相当するもの)が0.22%と低く、同じ指数に連動する競合他社の代表的な商品のエクスペンスレシオ0.72%に比べて3分の1以下に抑えられている。

 原油価格が乱高下するなど国際商品市況の先行きが不透明となっているが、ジノーニ氏は各種コモディティーに幅広く投資するETFは分散投資の幅を広げるためにも保有する意味があるとした。同社は1つのETFで複数のコモディティーをカバーする商品をまだ提供していないものの、どのような仕組みで実現できるかについて現在調査中だという。ただ、米国でコモディティーのETFを提供する場合、「ETFに組み込める先物の割合が制限されているなど、解決すべき課題がいくつかある」と指摘した。(坂本浩明)
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。