シティバンク銀が「プレミアム・ファンズ ピムコ トータル・リターン ストラテジー」を販売

 世界最大級の債券運用会社として知られる「PIMCO(ピムコ)」。そのピムコのフラッグシップ運用戦略である「トータル・リターン運用」の投資成果を享受できるのが、シティバンク銀行が販売する外国籍ファンド「プレミアム・ファンズ ピムコ トータル・リターン ストラテジー(米ドル建て)/(円建て・ヘッジあり)」(ケイマン籍契約型公募外国投資信託・追加型)だ。管理会社はトータル・アルファ・インベストメント・ファンド・マネジメント・カンパニー・エス・エイ。投資運用会社はピムコジャパンリミテッド。「プレミアム・ファンズ」シリーズ間でスイッチング可能。

 ピムコは1971年の設立以来、債券運用に特化しており、グループ全体での運用資産は7470億ドル(08年12月末現在)と、世界最大級の債券運用会社となっている。特に、同社の創業者で共同CIO(最高投資責任者)のビル・グロス氏は「債券王」と呼ばれ、アメリカを代表する債券ファンド・マネジャーとしてメディアでもコメントを求められるなど、知名度が高い。サブプライム(信用度の低い顧客向け)ローン問題、リーマン・ショックと世界的な金融市場の混乱が続き、投資運用会社にとって厳しい状況となる中、比較的安全な資産とみられる「債券」運用に特化する同社に注目が集まっている。

 今回、シティバンク銀が販売する「プレミアム・ファンズ ピムコ トータル・リターン ストラテジー」は、信用度の高い米ドル建て債券を中心に分散投資を行う(具体的には、ケイマンのピムコ・ケイマン・トラストのサブ・ファンドであるピムコ・ケイマン・トータル・リターン・ストラテジー・ファンドJの米ドル建て、円建て(ヘッジあり)シェアに投資)。投資先の米国債券市場は、世界の債券市場の37.5%を占めるなど世界最大級の市場であり、対象の債券も、国債、政府機関債(主に住宅金融系の政府関係機関が発行する債券)、モーゲージ債券(住宅ローンを裏付けとした債券)、資産担保証券(自動車ローン、カードローンを裏付けとした債券)、社債と幅広い。投資先ファンドのベンチマーク(運用基準)の組み入れ銘柄の平均格付けは「Aa1」/「Aa2」だが、内訳では「Aaa」が80%近くを占めている。

 一方、ピムコの誇る「トータル・リターン運用」は、具体的にはインカムゲイン(金利収入)だけではなく、キャピタルゲイン・ロス(債券価格の騰落)によって得られるトータル・リターンを最大化することを目指す戦略。年4回の経済予測会議を通じて、経済環境や債券の市場環境などを勘案した「大きなマクロ・ビューを作り、それを債券投資に落とし込んでいく」(ピムコジャパンリミテッドアカウント・マネージメントグループ)ことが特徴で、米国の債券市場の規模の大きさを生かし、ピムコの見通しにもとづいて、米国の投資適格債券市場におけるセクターの配分比率を変更していく。足元では、米政府がモーゲージ金利水準を引き下げることを狙ってモーゲージ債購入に動いていることに注目し、「米政府が購入する債券を買う」(同)戦略をとっている。

 債券投資のメリットとしては、社債を例にとると、現状は企業が保有する現金が枯渇する中、「投資適格社債の利回りと国債のスプレッド(利回り差)が歴史的な水準まで拡大している」(同)点が挙げられる。債券投資家はより高い利回りを期待できる。景気悪化が鮮明になる中、ピムコの債券運用会社としての銘柄選別能力などの優位性を生かす方針。また、「企業を見る目は、成長よりも、『財務の健全性』に主眼が移っている」(同)と、企業の成長余力、つまり「株式」に注目する金融市場の流れから、「いかに資金を回収できるか」つまり「債券」に着目する流れに変わってきている点も債券投資のメリットの一つとみている。為替面でも日米金利差が縮小する中、ヘッジコストが低水準となっていることも注目という。

 一方、販売会社のシティバンク銀行はピムコに注目した背景として、金融市場の混乱の中、「保有して安心感がある」(シティバンク銀行・個人金融部門)としている。ビル・グロスCIOが定期的にメディアなどでマクロ・ビューや投資戦略を公開するなど、「トップの考えていることが見える」(同)ため投資方針に関して透明性が高いと評価。同時に、ピムコの債券投資戦略はシティグループの景気見通しと合致していることも販売の決め手となったようだ。

主な購入費用など
 申込単位
 :米ドル建ては、1万ドル以上1セント単位(追加申し込みは100ドル以上1セント単位)
  :円建ては、100万円以上1円単位(追加単位は1万円以上1円単位)
 申込手数料(税込み):3.15%
 管理報酬など(年):1.25%
提供:モーニングスター社
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