先進国債券の安定性と新興国債券の高利回り、「ダイワ外国債券F(毎月)―ダイワスピリット―」(2)

 大和投資信託の「ダイワ外国債券ファンド(毎月分配型)―ダイワスピリット―」<2009031201>の足元(8月31日時点)の先進国、新興国の組入比率は、先進国部分が45.6%、新興国部分が54.4%となっている。新興国の利回りが高い状況にあることや投資家のリスク選好が高まっているため、新興国部分の組み入れをやや多くしている。
 通貨別の組入比率は、ブラジルレアル32.7%、豪ドル25.3%、南アランド13.5%、米ドル11.4%、ユーロ9.1%、メキシコペソ8.0%となり、基本配分比率に対し、ブラジルレアル、豪ドルがオーバーウエート、南アランドが小幅オーバーウエートとなっている。ブラジルレアルを選好する理由としては、金利高に加え、「中長期的な成長期待が高い」(熊原祐次・公社債運用部第二課シニア・ファンドマネージャー)ことが挙げられる。
 インフレ懸念が落ち着いている半面で、イールドカーブ(債券の利回り曲線)の長短金利差が拡大しているといい、「比較的残存年数の長い債券の組み入れを行っている」(同)という。豪ドルも金利高に加え、世界的な景気後退局面で豪州の景気へのダメージが少なかったこと、景気回復期待の高い中国経済の恩恵を受ける可能性が高いことが背景にあるという。
 一方、南アに関しては、経済指標は悪くストなどの悪いニュースが伝わっているものの、株式市場や為替市場では、「一時の極端な売られ過ぎの場面の巻き戻しが起こっている」(同)という。また、ユーロについても利回りのより高い銘柄を選択しているという。
 ポートフォリオでは、平均修正デュレーションが5.0年、平均利回り(直利)8.36%。債券の種類別組入比率は国債68.2%、国際機関債16.8%、政府機関債8.1%、州・地方債6.9%と実際の債券の組み入れ幅も広い。格付け構成では、AAAが34.7%、AA9.0%、A23.6%、BBB32.7%。

 先進国、新興国の債券に投資するというコンセプトのファンドは過去も設定されていたが、同ファンドは対象通貨の組入比率や債券などの比率、組み入れを変更することで、相場の変化への機動的な対応を可能にしている。加えて、担当するシニア・ファンドマネージャーも債券の運用経験年数が19年と長く、その経験を活かした運用と危機管理が期待できそうだ。2009年6月から分配を開始しており、8月の分配金は100円(累計分配金は300円)と毎月分配型のファンドの中でも比較的高いレベルにあることから、既存ファンドからの乗り換えを含めた資金流入の動きが出ているもよう。
提供:モーニングスター社
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