大和住銀の「大和住銀 中国株式ファンド」、中国A株を含む中国(中国、香港)企業株式に幅広く投資(2)

 大和住銀の「大和住銀 中国株式ファンド」<2009091701>の実際の全体のモデルポートフォリオでは、中国A株が30.0%、H株が36.4%と同程度となる一方、レッドチップが14.7%、香港株が17.9%となる(2009年7月末時点)。業種別組入比率では、金融が37.6%と一番多く、続いて情報技術10.9%、一般消費財・サービス10.1%、エネルギー10.0%となっている。ただ、中国MSCI Chinaとの比較でみると、金融は小幅のアンダーウエートとなっており、情報技術や一般消費財・サービスなどをMSCI Chinaと比べオーバーウエートとし、半面、電気通信サービスやエネルギーをアンダーウエートとしている。

 2008年年末の中国政府による4兆元と巨額の景気刺激策と金融緩和策を好感し、中国の株価指数は今年前半大きく上昇してきたが、足元融資規制観測が浮上してきたことやこれまでの株価の大幅上昇を受け上値の重い展開が続いている。ただ、大和住銀では、中国の本格的な経済拡大はこれからとし、今年の建国60周年記念や2010年5月の上海万博といったビッグイベントを控え、中国の新たな成長が期待できるという。「景気対策はすでに行われているものもあるが、すべてが成長に寄与しているわけではない。来年に向けても景気対策は出てくるはず」(投信サービス部)とみている。
 中国経済の今後の成長予想のサンプルケースとして、1970年代以降の日本の高度成長期を挙げ、特に中国では国家の成長段階で経済的な転換点とされる「1人当たりGDP(国内総生産)3000ドル」を2008年に突破していることに注目している。現状、中国では、上海や北京といった沿岸部の地方自治体はすでに1人当たりGDPは3000ドルを大きく上回っているものの、内陸部を中心とした18の自治体の延べ7億人がいまだ3000ドルには届いていないなど、まだ成長ポテンシャルは高いという。加えて、これらの地域のGDP変化率は直近で3割近いなど、成長速度はすでに成長した沿岸部を上回っている。
 足元の株価については今後の金融引き締めの可能性を織り込む形で調整しているとの見方だが、今後の成長期待が高いことや懸念材料だった輸出関連でも回復の可能性が見込まれることに注目している。
提供:モーニングスター社
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