豪州関連ファンドが「復活」、3月純資金流入額が1年半ぶり高水準

 豪州関連ファンドへの資金流入が勢いを増している。豪州関連ファンドとして、モーニングスターカテゴリー「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」と「国際債券・オセアニア(為替ヘッジなし)」に属するファンドと、通貨選択型豪ドルコースのファンドの純資金流出入額を合計したところ(確定拠出年金向け、ファンドラップ向け、ETFなど除く)、3月は898億円の純資金流入と、12年9月以来1年半ぶりの高水準となった。豪州関連ファンドは13年9月まで11カ月連続で純資金流出と、低迷が続いたものの、その後は14年3月まで6カ月連続で純資金流入となっており、回復基調が鮮明だ。

 豪州関連ファンドに再び資金が集まる背景には、豪州経済の復調と豪ドルの上昇がある。豪州は小売売上高が2月までに10カ月連続で増加するなど消費が好調。住宅関連指標も上向いているほか、3月に雇用者数は3カ月連続で増加し、懸念されていた失業率も7カ月ぶりに低下するなど、雇用環境の改善が見られる。豪州の政策金利は13年8月に過去最低の2.50%まで引き下げられたあと、14年4月まで据え置かれており、追加利下げ観測の後退が豪ドルを下支えしている。豪ドルは対円で4月4日に一時1豪ドル=96円台半ばまで上昇し、13年6月5日以来10カ月ぶりの高値を付けており、その後も高値圏での推移が続く。

 なお、3月の通貨選択型ファンドの純資金流入額をコース別で見ると、米ドルが812億円の純資金流入で豪ドルを上回りトップとなった。一方、豪ドルと並び高金利通貨として高い人気を誇っていたブラジル・レアルは896億円の純資金流出と、全コースで最大の流出額となり、凋落(ちょうらく)が著しい。ブラジルは3月にS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)によって信用格付けが引き下げられたうえに、10月の大統領選をめぐる不透明感が意識される反面、米国と豪州は相対的に信用力が高く、景気が堅調な先進国として選好されている格好だ。
提供:モーニングスター社
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