中国は「予想外」の改善も、長期資金の回帰は遠く

 22日の株式市場では、日経平均の終値は295円高の1万4337円と、大幅に反発した。前日の米国市場が反発したことに加え、午前中に発表があった5月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の速報値が49.7と、市場予想の48.3を上回ったことなどが好感されたためだ。4月以降の上海総合指数は、節目の2000ポイントを大きく割り込むことなく推移しており、中国株の短期的な反発に期待する向きもあるようだ。

 一方で、こうした経済指標の改善や短期的な売られ過ぎの反動が持続的な回復につながるかについては見方が分かれており、ファンドを通じた中国株への本格的な資金流入には時間を要しそうだ。中国のモーニングスターカテゴリー「EQUITY FUNDs」は、14年第1四半期(1−3月期)の累計で500億人民元(約8000億円)の流出超過となった。過去3年間(12四半期)でみても、流入超過となったのは1四半期しかなく、ファンドの資金の多くはMMFでの滞留が続いている。

 中国国外をみても、4月は日本のモーニングスターカテゴリー「国際株式・中国」が45億円、米国のモーニングスターカテゴリー「China Region」も8000万ドル(約90億円)と、いずれも小幅ながら流出超過となった。過去36カ月間中、日本は33カ月、米国は29カ月で流出超過となっており、海外投資家の中国株からの資金の引き揚げは長期間にわたり継続している。ちなみに、金融危機後に中国株が急反発した09年には、年間で日本の「国際株式・中国」が1026億円、米国の「China Region」が27億ドルのいずれも流入超過となっていた。中国株の持続的な上昇には、国内外の中長期の資金を回帰させるような、もっと大きなきっかけが必要かもしれない。

 ◎純資金流出入額は中国、米国ともにオープンエンドファンドの推計値(米国はMMF、ファンドオブファンズ、ETF等は除く)、日本は国内追加型株式投信(DC、SMA、ETF等除く)
提供:モーニングスター社
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