野村AMの「野村世界不動産投信」(毎月分配型)」の純資産総額が2311億円に回復(2)

 一方、「野村世界不動産投信(毎月分配型)」<2005072801>のパフォーマンスをみると、2009月9月末時点での過去6カ月間のトータル・リターンは56.9%のプラス(類似ファンド分類平均は61.0%のプラス)、過去1年間は22.4%のマイナス(同25.1%のマイナス)、過去3年間は17.1%のマイナス(同19.5%のマイナス)と、特に長期でのパフォーマンスで類似ファンド分類平均を上回っている。
 特に過去3年間のトータル・リターンでは、特定地域(北米)に集中するファンドを除き、トップのパフォーマンスとなった。ただ、過去3カ月間のトータル・リターンは、22.8%のプラス(同23.6%のプラス)と、直近のREIT市場の急反転の局面で他ファンドに比べやや劣後する結果となった。
 同ファンドの運用方針の特徴は、「財務内容を精査し、信用リスクの高い銘柄は組み入れを抑える」(同)点にあるといい、過去にREITが長期にわたり下落していた局面でも、財務レバレッジの高い銘柄など財務面で不安を残す銘柄は早期に組み入れから外すかもしくは組み入れ比率を減らしていたという。過去の下落局面ではこうした「ディフェンシブ」な銘柄選別が良好なパフォーマンスにつながったもよう。9月末現在も、比較的ディフェンシブな医療・介護施設を7.6%と比較的多めに保有しているなど、慎重な姿勢が目立つ。
 また、足元上昇が目立っている世界のREIT市場でも、「(REIT)市場全体が好調とは言い切れず、地域ごとに温度差はある。」(同)との見方をとっている。目先1−2年間での空室率の上昇、賃料の低下といった悪材料を過去の下落局面である程度織り込んだと見る一方で、例えば、直近で住宅関連指標の改善が目立っているイギリスについて、目先の底打ち感は出ているものの、バリュエーションなどの観点からは“強気”なスタンスをとる局面ではないとの判断を示す。豪州についても足元急激にREIT市場は上昇してきているものの、バリュエーションなどを見極めている状況にあるという。

 一方、世間で話題となっているCMBS(商業用不動産ローン担保証券)については、市場の商業用不動産ローン総額は3.5兆ドル程度だが、うちCMBSは7000億ドルから8000億ドル程度を占めている。CMBSの4−5%程度にデフォルト懸念があるとみられているが、CMBSを用いて資金調達を行っているREITは大型の銘柄ではなく中小型の銘柄が多く、相当程度は株価に織り込まれてきているとの見方だ。一方で、比較的健全なREITでは8月、9月に入りCMBSの発行を行っているところもあり、資金循環の動きも見え始めているという。
提供:モーニングスター社
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