7月の米国籍ハイイールド債券ファンドは過去3番目の流出規模、資産の1割失ったファンドも

 7月の米国籍のオープンエンドファンドの資金流出入(推計値・ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く)をみると、カテゴリー別では「ハイイールド債券」の流出超過額が109億ドル(約1兆1000億円)となり、第2位の「国内大型グロース」の同59億ドルのおよそ倍程度の規模となった。集計可能な93年以降で、「ハイイールド債券」の月間の資金流出額が100億ドルを超えたのは99年2月、13年6月の2度しかなく、7月はそれに次ぐ3番目の規模となった。

 個別ファンドでみると、7月末時点におけるカテゴリー内純資産額ランキング第3位の「ブラックロック ハイイールド債券ポートフォリオ」、第4位の「iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF」、第5位の「ピムコ ハイイールド債券」がいずれも月間で10億ドル以上の資金流出超過となっており、かつ7月だけで純資産額の1割程度の資金が流出した。

 ちなみに、99年2月、13年6月の大幅流出後も、ハイイールド債券市場は大きな調整に見舞われておらず、投資家の大規模な一斉解約は中・長期的にみれば必ずしも正しい選択とは言い難かった。一方で、今回の大幅流出はイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の市場の過熱感を指摘する発言などが契機となっており、利益確定売りの様相が強かった過去の2回とは異なるとの指摘もある。資金流出が加速、継続するのか、ハイイールド債券の価格動向も含めて注意が必要であろう。
提供:モーニングスター社
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