新光投信が「みずほハイブリッド証券ファンド(通貨選択型)」設定(1)

 新光投信は11月16日、劣後債や優先証券などのハイブリッド証券に投資する「通貨選択型」ファンドの「みずほハイブリッド証券ファンド(通貨選択型)」およびマネープールファンドの設定・運用を開始した。

 一般的な投資家にとってはまだ馴染みの少ないハイブリッド証券へ投資することに加え、選択可能な通貨もロシアルーブル、インドルピー、中国元など幅広い通貨を活用している点など、これまでに類例のないファンドといえる。各通貨コースの決算は原則毎月12日(マネープールファンドは原則年2回、4月12日、10月12日)。販売会社はみずほ証券。12月10日時点での純資産総額では、ブラジルレアルコースが480億円と他の「通貨選択型」ファンドと同様に最も純資産総額を集める一方、足元の円高が意識されたからか、円コースが237億円超と2位に入った。コース全体では、852億円超の規模となっている。

 「みずほハイブリッド証券ファンド(通貨選択型)」は、円コース、米ドルコース、豪ドルコース、ブラジルレアルコース、ロシアルーブルコース、インドルピーコース、中国元コース、南アフリカランドコースの8通貨コースとマネープールファンドからなる。各通貨コースは、主として世界の金融機関が発行する劣後債や優先証券(ハイブリッド証券)を実質的な投資対象とする。
 実際には、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)のケイマン諸島籍の外国投資信託「GSグローバル・サブオーディネイティド・デット・セキュリティーズ・FX・サブ・トラスト」と、新光投信の運用する「国内短期公社債マザーファンド」を投資対象としたファンド・オブ・ファンズの形式となり、GSAMの外国籍投信を通じてハイブリッド証券への投資を行っている。マネープールファンドは新光投信の運用する短期公社債マザーファンドへの投資を通じ、日本円建ての短期公社債に実質的に投資し、安定した収益の確保を目指した運用を行う。

 主要な投資対象となるハイブリッド証券は、期限付劣後債や永久劣後債、優先証券などの総称。利息(配当)があり、満期や繰り上げ償還時に額面で償還されるなど債券に類似した性質を持つ半面、市場環境によっては利息の支払いや繰り上げ償還が見送られる可能性がある点や、ハイブリッド証券の発行体にとっては資本性を有する点など、株式と類似した面もある。債券と株式の中間の性質を有する「ハイブリッド証券」だが、法的弁済準備の違いや様々な異なる条件が付与されており、このため普通社債よりも金利が高くなる傾向がある。
 また、流動性が相対的に低いことも、金利が上乗せされる一因となる。期限付き劣後債は普通社債と同様に利払いの繰り延べがなく、相対的に流動性が高いという性格を持っている。ハイブリッド証券の発行体としては、先進国の中でも比較的資産規模の大きな金融機関が発行をしているケースが多い。

 今回、GSAMが運用する外国籍投信では、取得時点でBBB−(投資適格)相当以上の格付けを有する銘柄を投資対象とし、同一発行体の証券への投資割合は原則純資産総額の10%以下としている。加えて、ポートフォリオ構築においては、主に世界の金融機関の発行する期限付劣後債や普通社債といった比較的リスクの低い債券を中心に投資を行い、永久劣後債や優先証券にも分散投資を行うことで、相対的に高い利回りの獲得を狙う運用を目指す。
 「金融機関が発行するハイブリッド証券への投資にあたっては、銘柄や発行体の分析はもとより、発行体が所属する国に関する分析などがポイントとなる」(新光投信)が、外国籍投信の運用を担当するGSAMはハイブリッド証券への投資に関して十分な経験があり、個別銘柄の分析やリスク管理について十分なノウハウを蓄積していると、新光投信は評価している。
提供:モーニングスター社
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