HSBC投信初のバランス型で“郵貯マネー”に照準、割安見極め新興国に逆張り=投信情報

 HSBC投信は9月25日、同社初のバランス型ファンド「HSBC ワールド・セレクション」を設定した。目標とするリスク水準が異なる「安定」<201509250A>、「安定成長」<201509250B>、「成長」<201509250C>の3コースを用意。同社として初めてゆうちょ銀行を通じて販売するファンドとなる。パトリス・コンシコール代表取締役社長は、当ファンドの設定にあたって開催したセミナーで、「ポートフォリオのコアになるファンドだ」と強調し、貯蓄から投資の流れの中で“郵貯マネー”を積極的に取り込む考えを示した。

 当ファンドは目標とするリスク水準を維持するために、市場環境の変化に応じて資産配分比率を機動的に見直す点が特徴だ。各資産の評価において最も重視するのは「割安かどうか」(コンシコール代表)。株式全体の投資判断は7月に「オーバーウェート」(強気)から「ニュートラル」(中立)に引き下げた。直近(9月17日時点)では、先進国の中でも割高感が強まっていた米国は「アンダーウェート」(弱気)、相対的に割高ではなく景気が回復傾向にある日本と欧州は「オーバーウェート」にしている。

 米利上げ接近という逆風が強まる新興国だが、HSBCグローバル・アセット・マネジメント マルチアセット担当シニア・プロダクト・スペシャリストのキース・スウェビー氏は、米利上げは緩やかに行われる見込みで新興国に大きな混乱を引き起こす可能性は低いとの見方を示した。むしろ、割安感を考慮すると、「例えばブラジルは政局の混乱や物価の高騰など悪いところばかりが目につくが、いまは割安になり始めている」(コンシコール代表)とされ、売られ過ぎた新興国株式は逆張り投資の好機とした。

 HSBCグループが全世界で運用するオープンエンドファンド(ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズなどによる重複除く)の純資産総額は15年8月末時点で1124億ドル(約13.6兆円)。このうちバランス型は69億ドル(全体の約6%)にとどまるものの、過去5年で倍増しており、拡大基調が続いている。HSBC投信の国内籍ファンドは8月末時点で純資産総額の約8割を新興国関連のファンドが占めるが、当ファンドの設定により海外でのバランス型ファンドの実績をアピールしたい考えだ。

 なお、当ファンドは信託報酬等(監査費用等含む、税込み)が全コース1.48%となっており、バランス型ファンド(確定拠出年金専用、ラップ口座専用、ETFなど除く)の信託報酬等の平均1.49%を下回る。アクティブファンドだけでなく、低コストのETFを組み入れることによりコストを抑えている。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。