米アクティブ運用の雄“日本初上陸”、パッシブ台頭に反撃なるか?

 キャピタル・インターナショナル(以下、同社)が運用する「キャピタル 世界株式ファンド」<2007102902>は、これまで「キャピタル・インターナショナル・ファンド・ジャパン グローバル・エクイティ・ファンド(クラスC)」を主要な投資ファンドとしていたが、13日にこれを「キャピタル・グループ・ニューパースペクティブ・ファンド(LUX)(クラスC)」(以下、同ファンド)へ変更した。優良な国内外の株式に投資をするというファンドの基本的な特色に変化はないものの、米国でアクティブファンドのトップシェアを誇る「アメリカン・ファンズ(キャピタル・グループの投信ブランド)」に属する「アメリカン・ファンズ・ニュー・パースペクティブ」と同様の運用戦略を採用することで、グローバル投資に新たな視点を加える。これにより、国内投資家が初めて、アメリカン・ファンズの運用戦略を用いたファンドに投資することが可能となった。

 同ファンドでは、「マルチナショナル(多国籍)企業」に着目する。これは、マルチナショナル企業が、通貨、法規制、会計、物流、文化、言語などの違いに対する優れた適応力を持ち、長期投資にふさわしい投資対象であるという考えに基づいている。ポートフォリオの構築にあたって、複数のファンドマネジャーがそれぞれ運用するポートフォリオを組み合わせる「キャピタルシステム」を採用、「得意技の異なるファンドマネジャーを集め、最適に組み合わせている」と、同社のインベストメント・スペシャリスト雨宮弘明氏は語る。そのうえで「ファンドのコンセプトに基づき、電気通信サービスや公益事業、金融などマルチナショナル企業が少ないセクターはアンダーウエートに、逆にテクノロジーや消費関連、ヘルスケアなどのセクターはオーバーウエートにする傾向が強い。銘柄の平均保有期間は約4年で、10年以上保有する銘柄も約30銘柄ある」と同氏は語る。

 なお、米国籍の「アメリカン・ファンズ・ニュー・パースペクティブA」(同ファンドのシリーズで最も設定が古いファンド)は設定が1973年と40年以上の“超長期”の運用実績を有する。10月末時点で米モーニングスターの定性評価であるアナリストレーティングは5段階で最高評価の「Gold」、定量評価のモーニングスターレーティングは5段階で上から2番目に高い4つ星と、米国では定量・定性のいずれも評価は高い。

 米国籍オープンエンドファンド(ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズなどによる重複除く)の純資金流出入額(推計値)を見ると、15年は10月末までにアクティブが1042億ドルの純資金流出となる一方、パッシブは3309億ドルの純資金流入となっており、5年連続でアクティブを上回ることが濃厚。日本でも各社によるインデックスファンドシリーズの拡充などでパッシブが話題となるなか、米国で優れた実績を有するアメリカン・ファンズの運用戦略が日本に今回持ち込まれたことによりアクティブの“巻き返し”となるか注目される。
提供:モーニングスター社
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