モーニングスター年末特集=ファンド“ニュース”オブ ザ イヤー2015―投信動向を振り返る(2)

 (1)からつづく

<投信残高が過去最大、ETFとラップ口座専用ファンドが高い伸び>

 5月末の国内公募投信の純資産残高が初めて100兆円の大台を突破したという内容のニュースを以前に配信した。モーニングスターでは、このうち公社債投信や単位型投信などを除いた国内追加型株式投資信託(当ニュースでは「国内籍ファンド」と表記)にカテゴリーを付与し、分析対象としているが、これらの純資産残高も同月末に初めて80兆円の大台を突破した。なかでもETFは11月末時点で年初来1.5倍に、ラップ口座専用ファンドは同1.8倍と高い増加率を示し、残高増加に貢献した。

<「チャイナショックですか? 」「安心してください、ラップ型ファンドですよ」>

 今年はラップ型ファンド(注3)の新規設定が目立った。11月末時点で国内には54本のラップ型ファンド(確定拠出年金向けファンド及びラップ口座専用ファンド、ETF等除く)が存在するが、その半分にあたる27本が今年に入ってから設定されたものだ。ラップ型ファンドは国内外の幅広い資産への分散投資や投資家のリスク許容度に合わせて「安定型(保守型)」「成長型(積極型)」など複数のコースからファンドを選択できるのが特徴だ。そこで今回は、8月のチャイナショック前後(7−9月)の相場を例に、「安定型(保守型)」のラップ型ファンドがどの程度下落への耐性があったのかを検証した。

 モーニングスターカテゴリー「安定」に属するファンドの9月末時点の3カ月トータルリターンはマイナス5.24%であった。一方で、同カテゴリーに属する主要なラップ型ファンドでは、のむラップ・ファンド(保守型)<2010031501>がマイナス2.02%、ラップ・コンシェルジュ(安定タイプ)<2014111401>がマイナス2.34%、スマート・クオリティ・オープン(安定型)<2014111404>がマイナス2.48%となるなど、下落局面への強さを見せつけた。

 さて、来たる2016年。モーニングスターでは1月末に、優れた運用実績を持つファンドを表彰する「ファンド オブ ザ イヤー2015」を発表する。2016年も当面は「トリプルウォーリー」を警戒する流れが続くと見られるが、そうした環境でどのような投資戦略を立てるのか、また、3年目のNISA(少額投資非課税制度)や新たにスタートするジュニアNISAではどういったファンドに投資すべきかなど、受賞ファンドを大いに参考にしてほしい。(守谷清貴)
提供:モーニングスター社
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