「HSBCブラジルオープン」――消費とインフラに注目、過去1年間のトータルリターンは132%(2)
2009年11月末時点での過去1年間のトータルリターンの平均が、65.83%と主要な類似ファンド分類のなかでは最も優れたパフォーマンスとなった「国際株式・エマージング」。なかでも好調なパフォーマンスとなったのがおもにブラジル株式に投資するファンドだ。
「HSBCブラジルオープン」(追加型/海外/株式)は過去1年間のトータルリターンが132.81%と最も大きく上昇する結果となった。同ファンドのマザーファンドの運用体制では、景気サイクルの分析といったトップダウンでの観点と、個別企業の分析を重視したボトムアップを併用した調査を行う。株式調査部門のアナリスト計10人、経済・投資戦略・クオンツ調査部門の4人でトップダウン&ボトムアップの調査体制を構築、さらにポートフォリオ・マネジャー1人とアシスタント・ポートフォリオ・マネジャー1人が統括する仕組みとなる。ポートフォリオ・マネジャーはブラジル株式の経験が長いことに加え、ヘッジファンドやクレジット分析などの経験も積んでいる。
11月末時点での市場別の組み入れ比率(マザーファンドベース)では、ブラジル株式市場は62.1%、その他市場(ADRなど)は35.9%。業種別では銀行が16.3%、石油・石炭11.8%、食品・日用品10.9%が上位となっている。
また、「担当のポートフォリオ・マネジャーがもともと消費に着目しており、リサーチも強化している」(投資情報部)と語るように食品・日用品が上位に入るなど、ほかのブラジル株式ファンドとは異なった構成比率となっている。
過去1年間のトータルリターンは132.8%と大きく上昇し、ベンチマーク(103.1%)を上回ったが、過去3年間では12.2%とベンチマーク(34.2%)を下回る。過去1年間ではブラジル株式全般は大きく上昇したが、特に中小型株のパフォーマンスが優れており、比較的中小型の銘柄が多くなる消費関連の銘柄に注目した同ファンドのパフォーマンスに寄与したもよう。
2009年は資本財・サービス、一般消費財や生活必需品関連をオーバーウエートしており、パフォーマンスにプラス寄与したという。「2009年の景気回復局面が資源株(大型株)主導の相場展開ではなく、内需主体となったことにうまくはまった」(投資情報部)との見方だ。一方、足元では流動性などの問題から銀行などの大型株への配分を増やしている状況となっている。
ブラジルの2009年第3四半期のGDP(国内総生産)は前期比プラス1.3%(前年同期比ではマイナス1.2%)と第2四半期の同プラス1.1%(前年同期比ではマイナス1.6%)から加速したものの、市場予想を下回ったことで株式市場には売りが出る場面もあった。
一方、HSBCではブラジル経済は2009年第1四半期に底を打ち、回復軌道に乗ったとみている。2010年にはプラス5.6%(年)、2011年にはプラス4.2%と過去5年間(2004年から2008年)の実質GDP成長率の平均5.0%前後に復帰し、再び成長軌道に乗るとしている。中・長期的な着目点として「インフラ」と「消費」を挙げている。今後のブラジル企業の株価については、資源価格が底堅く推移している現状、収益予想を過少に見積もられている可能性があると指摘している。
提供:モーニングスター社
「HSBCブラジルオープン」(追加型/海外/株式)は過去1年間のトータルリターンが132.81%と最も大きく上昇する結果となった。同ファンドのマザーファンドの運用体制では、景気サイクルの分析といったトップダウンでの観点と、個別企業の分析を重視したボトムアップを併用した調査を行う。株式調査部門のアナリスト計10人、経済・投資戦略・クオンツ調査部門の4人でトップダウン&ボトムアップの調査体制を構築、さらにポートフォリオ・マネジャー1人とアシスタント・ポートフォリオ・マネジャー1人が統括する仕組みとなる。ポートフォリオ・マネジャーはブラジル株式の経験が長いことに加え、ヘッジファンドやクレジット分析などの経験も積んでいる。
11月末時点での市場別の組み入れ比率(マザーファンドベース)では、ブラジル株式市場は62.1%、その他市場(ADRなど)は35.9%。業種別では銀行が16.3%、石油・石炭11.8%、食品・日用品10.9%が上位となっている。
また、「担当のポートフォリオ・マネジャーがもともと消費に着目しており、リサーチも強化している」(投資情報部)と語るように食品・日用品が上位に入るなど、ほかのブラジル株式ファンドとは異なった構成比率となっている。
過去1年間のトータルリターンは132.8%と大きく上昇し、ベンチマーク(103.1%)を上回ったが、過去3年間では12.2%とベンチマーク(34.2%)を下回る。過去1年間ではブラジル株式全般は大きく上昇したが、特に中小型株のパフォーマンスが優れており、比較的中小型の銘柄が多くなる消費関連の銘柄に注目した同ファンドのパフォーマンスに寄与したもよう。
2009年は資本財・サービス、一般消費財や生活必需品関連をオーバーウエートしており、パフォーマンスにプラス寄与したという。「2009年の景気回復局面が資源株(大型株)主導の相場展開ではなく、内需主体となったことにうまくはまった」(投資情報部)との見方だ。一方、足元では流動性などの問題から銀行などの大型株への配分を増やしている状況となっている。
ブラジルの2009年第3四半期のGDP(国内総生産)は前期比プラス1.3%(前年同期比ではマイナス1.2%)と第2四半期の同プラス1.1%(前年同期比ではマイナス1.6%)から加速したものの、市場予想を下回ったことで株式市場には売りが出る場面もあった。
一方、HSBCではブラジル経済は2009年第1四半期に底を打ち、回復軌道に乗ったとみている。2010年にはプラス5.6%(年)、2011年にはプラス4.2%と過去5年間(2004年から2008年)の実質GDP成長率の平均5.0%前後に復帰し、再び成長軌道に乗るとしている。中・長期的な着目点として「インフラ」と「消費」を挙げている。今後のブラジル企業の株価については、資源価格が底堅く推移している現状、収益予想を過少に見積もられている可能性があると指摘している。
提供:モーニングスター社