「たわらノーロード」、「plus」を追加したDIAMの狙い(下)

 「たわらノーロード」に3月31日、クオンツ運用の考え方を取り入れた「たわらノーロードplus」を追加設定された。DIAMアセットマネジメントの情報サービスグループ シニアマネジャーの荒川真帆氏に聞いた。

 (上)からつづく

 ――新たに設定した「たわらノーロードplus」は、アクティブファンド。従来の「たわらノーロード」シリーズがシンプルなインデックスファンドだったことと、大きく商品性が異なる。新シリーズを投入する意図は?

 当社の特徴のひとつとして、機関投資家から高い評価をいただいているのがクオンツ運用です。平均16.7年の業務経験と12名のCMA(証券アナリスト資格)保有者からなる運用チームは、金融工学をベースとしたモデルを開発し、それを運用に生かすことを専門に追求しています。クオンツ運用資産は約10兆円(年金・助言・投信の合計)になっています。

 このクオンツ運用チームが「たわらノーロード」シリーズのためにセレクトした戦略が、「株式の低ボラティリティ高配当戦略」です。クオンツ運用では、特定の要因(ファクター)を重視した定量的なルールを用いてポートフォリオを構築し、インデックスを上回るパフォーマンスの実現に取り組んでいます。様々なファクターを使ったモデルポートフォリオでシミュレーションを繰り返した結果、「低ボラティリティ」と「高配当率」に着目したポートフォリオがリスク対比のリターンが良くなるということが分かりました。

 そして、低ボラティリティ戦略を中心に据え、そこに高配当利回り戦略を加え、さらに、クオリティとモメンタムなどのファクター(指標)を使って内容の悪い銘柄を排除したポートフォリオを作ると、インデックスを上回るパフォーマンスが実現できました。しかも、バックテストの結果、インデックスが下落する局面では下落率をインデックスよりも抑えられるという結果も得ました。

 このクオンツ運用チームのアイデアを基に、「国内株」「先進国株」「新興国株」を対象に運用するのが、新たに設定した「たわらノーロードplus」シリーズです。運用はシステマティックに実行するため、信託報酬を低く抑えることもできました。「国内株」で年率0.70%(税抜き)、「先進国株」で年率0.85%(税抜き)、「新興国株」で年率0.90%(税抜き)です。

 「たわらノーロードplus」で提供する3ファンドは、リスクに対する収益の最大化を狙って運用します。運用の効率が良いファンドということができます。従来の「たわらノーロード」シリーズが、運用コストを低く抑えて運用の効率性を実現するファンドであったことと同様に、「たわらノーロードplus」も効率を追求します。「たわら」シリーズのコンセプトである効率的な運用に役立つファンドを提供したいという思いを実現しています。

 ――今後の展望は?

 「たわらノーロード」シリーズは、ネット専用ですので、販売員の方々に代わって活用の仕方などを解説するコンテンツが必要だと考えています。インデックスファンドのシリーズは、1本1本では“部品”のような役割です。これを組み合わせるアイデアを提供するコンテンツを作っています。取れるリスクが5%、10%、15%などの場合に合わせたポートフォリオの例をお示しすることで、運用の参考にしていただけます。

 今後も販売会社の方々と十分なコミュニケーションを行って、お客さまが何を望んでいらっしゃるのかを聞かせていただき、それぞれの販売会社に合ったコンテンツや情報提供を進めたいと思っています。

 また、商品の品ぞろえについては、「たわらノーロード」のインデックスを、投資対象資産のバリュエーションを広げるというのもひとつの手段だと思っています。

 「たわらノーロードplus」については、クオンツ・アクティブという考え方に立てば、様々な商品提供が可能です。この分野でも当社のクオンツ運用ノウハウを活かした新商品を考えていきたいと思っています。

 ネットを通じた投信販売は成長が続くと思います。その中で、「たわらノーロード」シリーズが、広くご活用いただけるインデックスとして定着できるよう息長くプロモーションに努めていきたいと思っています。
提供:モーニングスター社
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