<★★★★★>「コーポレート・ボンド・インカム」、米国社債市場の落ち着きで安定的な収益獲得へ(下)

 「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」(愛称:泰平航路)<2009052908>(★★★★★、評価基準日=2月29日)を運用する三井住友アセットマネジメント 債券運用グループ副ヘッドの原田和幸氏に、運用の現状について聞いた。

 (上)からつづく

 ――当面の米国市場の見方は?

 昨年12月にFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを開始した際に、年4回くらいのペースで利上げを行うとしていましたが、その当時から、わたしどもは年4回は難しいと見ていました。グローバルに低成長・低インフレの時代に入り、日本や欧州が依然として金融緩和方向にあり、エマージング諸国の成長も決して力強くないなかで、米国だけが繰り返し利上げを実施できるとは考えにくかったからです。

 実際に、2016年になって、米利上げは年2回のペースというのが市場のメインシナリオになってきています。海外で不測の事態が起こることなどがなければ、年2回の緩やかなペースで利上げが実施され、米国の債券運用には安心感が広がると思います。

 利上げは債券安につながりやすい材料ですが、FRBが利上げするのは、足元の景気がしっかりしている内に、金利を正常化したいためです。ここからの問題は、米国の利上げが2回で終わるかどうかです。利上げが年内2回で終わるのであれば、長期債の利回りは継続的に上がっていくことはできません。足元では、内需サービス関連の指標は力強いのですが、ドル高の進展によって輸出競争力が弱くなるという懸念も出てきています。今後の経済指標を確認しながら、長期金利が一段と高くなるかどうかを見極めていかなければなりません。

 現状は、将来の確信が持てない中で、FRBの利上げが進められる方向なので、短い期間の債券が売られ、3年から10年の金利は急こう配で上がって、20年、30年など超長期の金利がフラットになっています。この状況は、簡単には解消しないと考えています。したがって、10年債を買って、3年までのローリングイールドを取っていく戦略が引き続き有効だと考えています。

 ――ドル建て社債での運用環境は順風な状態が続くとすると、為替ノーヘッジ型には今年の1−3月にあったような円高が気になりますが、当面の運用方針は?

 円高リスクを避けたいとの考えの場合は、「コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型)」<2009052907>(★★★、評価基準日=2月29日)という選択肢があります。

 為替の見通しについては、日本円への投資や米ドルへの投資という需給関係の変化も読みづらく、原油価格がこのまま落ち着くのか、あるいは、中国の景気が大きく落ち込むようなことがないかなど、変動要因も複雑に絡みますので読みにくいと思います。

 ただ、米国の内需が力強い状況にあることは確認できます。また、日本や欧州がマイナス金利政策のなかにあって、債券投資の行き場は米国に集中しやすいということを否定することはできないと思います。したがって、不安定要素が落ち着けば、世界の資金は米国に流れ込むという動きになるでしょうから、過度に円高を心配する必要はないと思います。

 ファンドでは、引き続き注意深く米国の経済指標を確認しながら、現在のローリングイールド戦略によって着実な収益を積み重ねる戦略を進め、安定的な収益を獲得していきたいと思っています。
提供:モーニングスター社
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