<★★★★★>シュローダー日本ファンド、逆バリによる長期投資で年率リターンがカテゴリーのトップ

 シュローダー・インベストメント・マネジメントが運用する「シュローダー日本ファンド」<1998022704>(★★★★★、評価基準日=3月31日)は、16年3月末基準でモーニングスターレーティング最高格付けの5つ★になった。特に、10年(年率=2.58%)、5年(年率=15.46%)トータルリターンが、カテゴリー(国内中型バリュー)でトップの成績だ。ファンドの特徴について、シュローダー・インベストメント・マネジメント 運用部 日本株式プロダクト担当部長の荒井卓氏に聞いた。

 ――「シュローダー日本ファンド」は、1998年2月の設定来、18年余りの運用実績がある。10年(年率)、5年(年率)、3年(年率)など、どの期間で比較してもカテゴリー平均を上回るトータルリターンを上げている。中・長期的な観点で企業の成長性と株価の割安性を考慮して銘柄を選択するGARP(グロース・アット・リーズナブル・プライス)を使っているというが、運用の特徴は?

 ボトムアップ・アプローチの基本である緻密な個別企業調査に徹し、中・長期に成長する質の高い企業を発掘して長期投資するという姿勢で運用しています。「リーズナブル・プライス」をあえて強調し、成長性が高い企業であっても株価水準が割高な銘柄には投資をしないという姿勢を明確にしています。

 ファンドマネジャーの前田建は04年5月から当ファンドを運用し、担当を開始して以来、10年以上にわたって保有している銘柄がいくつも存在します。売買回転率が20%程度と低いのもファンドの特徴です。投資を決断した銘柄については、5年でも10年でも長期にわたって保有しようという意図で選別しています。そして、割安な水準に株価が下落することを待つなど、少しずつ時間をかけて保有株比率を高めるという組み入れ方をしています。また、徹底した逆バリも行います。

 現在、ファンドマネジャーをサポートするアナリストチームは、セクターアナリストが9名と、小型株専門の3名です。ファンドマネジャーである前田も取材活動に加わって成長企業の発掘に努めています。ポートフォリオには約90銘柄を組み入れていますが、うち、約60銘柄は小型株に分類される銘柄です。

 当社もスチュワードシップ(受託者責任)を果たすための方針を公表していますが、投資先企業との間でエンゲージメント(対話を重視する投資)についても着手しています。当ファンドが実施してきた投資手法にとって、近年のガバナンスを重視した企業姿勢の浸透は、大きな追い風になっています。

 ――リスク管理の考え方は?

 徹底的な企業調査によって、確信度の高い銘柄にのみ選別投資することに徹しています。割安で質の高い企業でポートフォリオを組んでいるので、下落率は市場平均以下に抑えられる傾向があります。

 また、隔週で実施しているファンドマネジャー・ミーティングでは、日本株式運用チームで異なる投資戦略で運用しているマネジャーとの間で、ファンド内の売買実績や投資方針、市場動向などの議論を行っています。さらに、運用チームが全員参加する月次のポートフォリオレビュー会議には、リスク管理専門のマネジャーも加わって、個々のファンドのリスク評価を行います。ファンドマネジャー間、あるいは相互にチェックすることで、想定していないリスクを回避するようにしています。

 ――当面の運用方針は?

 12年から14年まで、3年連続で日本株は大きく値上がりし、その利益確定の売りもあって15年以降は調整局面にあると考えています。為替の動きが大きく、収益見通しがブレやすい側面があるとともに、景気の減速感が出てきていて、企業業績がマイナス方向に修正される傾向が強くなっています。

 ただ、16年になってからの株価下落は、銘柄によっては売られ過ぎの水準になっているものもあります。現在のところ下向きになっている企業業績や景気の見通しが、どのタイミングで上向きに切り替わるのか、慎重に見極める局面にあると考えています。

 食品、医薬品、鉄道などの、いわゆるディフェンシブ銘柄は株価の水準も割高になってきていると考え、アンダーウエートにしています。反対に、外需関連に割安になっている銘柄が増えています。また、景気循環関連の内需株はオーバーウエートしています。

 依然として、慎重な姿勢でポートフォリオの運営を行っていますが、今後、日本経済がデフレ脱却に向けて動き出すのであれば、中・長期の視点で魅力のある銘柄は数多く存在します。日本株は中・長期的には非常に魅力的な市場であると考えています。
提供:モーニングスター社
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