アジアパシフィック株式で初のESGファンド募集開始、SMBC日興証は報酬の一部をスポーツ団体に寄付

 SMBC日興証券は6月20日から、公募投信「シュローダー・アジアパシフィック・エクセレント・カンパニーズ」の募集を開始する。日本を含むアジア太平洋地域の株式を主要投資対象に、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮して持続的な成長が可能な企業に厳選投資する。シュローダー・インベストメント・マネジメントが運用を担当し、6月30日に設定する。アジア太平洋地域の株式を対象にしたESGファンドは、わが国で初めて。なお、SMBC日興証券は、このファンドで得る信託報酬の一部を、スポーツ振興支援を目的として同社が選定する公益法人などに寄付する。

 2015年に日本政府が成長戦略の一環として「企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)」の導入を提言し、わが国の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国連の責任投資原則(PRI)に署名したことなどがきっかけになって、国内の年金基金などの機関投資家の間でESGが強く意識されるようになった。

 SMBC日興証券では1999年に日本で初めて環境の観点を取り入れたSRIファンド「日興エコファンド」を取り扱い、2010年には世界で初めてグリーンボンド(気候変動問題に取り組むプロジェクトの資金調達のために世界銀行が発行する債券)に投資するファンド「SMBC・日興 世銀債ファンド」を取り扱うなど、環境や社会に配慮した投資商品の普及に努めてきた。そして、今年3月29日に、三井住友フィナンシャルグループが策定した「フィデューシャリー・デューティー(受託者責任)宣言」を採択し、資産運用業務で「お客さま本位」の考えのもと、より一層のサービス向上をめざすことを明確にしている。

 今回、ESGファンドを初めて取り扱うにあたって、「お客さまの中・長期的資産形成をお手伝いするとともに、投資対象企業の成長に寄与したい」としている。

 運用を担当するシュローダー・グループは、20年近くにわたりESGを中心とする責任投資に取り組んでいる。「シュローダー・アジアパシフィック・エクセレント・カンパニーズ」の運用にあたっては、「アジアマザーファンド(シュローダー・アジアパシフィック<除く日本>株式サステナブル投資マザーファンド)」を香港現地法人が、「日本マザー(シュローダー日本株式サステナブル投資マザーファンド)」を日本法人の日本株式チームが担当。それぞれのマザーファンドで、投資ユニバースから、アナリストの定性評価によるESG評価を加味して銘柄を厳選する。また、各マザーファンドへの投資比率は、MSCI Asia Pacific Indexの構成国における日本と日本以外の国との比率に準じた割合を目安とし、必要に応じてリバランスを行う。

 アジアパシフィック地域は、世界経済の中で成長が著しい地域であり、かつ、域内の連携によって一段と成長を加速させる期待が強い。ただ、環境問題や都市と地方の格差、あるいは、企業統治などESGの点では先行する欧州企業などと比較して、改善余地が大きな企業が多いとされる。アジアパシフィック地域の中で、ESGで先行する企業は、中・長期的な企業の成長がより確かと評価され、世界的に拡大するESG投資による注目度が一段と高まると期待される。

 SMBC日興証券は、経営理念の一つである「多様性の尊重」のもと、「人にやさしい社会」の実現に向けた取り組みを展開している。日本ブラインドサッカー協会に対する特別協賛や障がい者アスリートの雇用などを進め、環境省21世紀金融行動原則の「グッドプラクティス」に選定されるなど、その取り組みが評価されてきた。今回は、ファンド募集取り扱い報酬の一部を、障がい者と健常者双方のスポーツ振興支援のために寄付する。寄付は、毎年1回実施し、ファンドの残高が一定以上に維持される間は継続する意向だ。
提供:モーニングスター社
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