マイナス金利時代に信用リスクを抑えて国債+αの利回りを=パインブリッジ運用の日米の住宅機関債ファンド

 パインブリッジ・インベストメンツ株式会社が運用する、主に日米の住宅ローン担保証券(住宅機関債(MBS))へ投資するファンドが、マイナス金利時代の安定利回り商品として注目を集めている。パインブリッジ・インベストメンツ株式会社債券運用部シニアポートフォリオマネジャーの池田大人氏に、住宅機関債投資の魅力について聞いた。

 ――住宅機関債が高利回りの理由は?

 通常は、信用格付けが高いほど債券利回りが低くなる。しかし、住宅機関債は、裏づけとなる毎月の住宅ローン元利金返済に伴い、住宅機関債も一部元本の期限前償還が継続するため、債券と比較すると、元本が時間の経過とともに減額する分、資金の運用効率が悪くなる。また、再投資や一部償還金の管理に手間もかかるなどの対価から、格付けの近い債券に比べて高い利回りを有する。

 実際に、日本の住宅金融支援機構が「フラット35」などの住宅ローン債権を担保に発行する住宅機関債の格付けはAAA(最高位)だが、利回りは10年日本国債(格付け:A+)よりも0.44%程度高い(16年5月発行の109回債)。米国でも、ジニーメイなど米国政府機関・政府支援機関が元利金支払いを保証した住宅機関債(格付け:AAA)は、平均残存年数が同程度の米国債(同:AAA)より1.0%程度高い利回りが期待できる。

 このマイナス金利時代のなかで魅力的な投資対象だが、住宅機関債投資における手間を投資信託として、MBSに精通した専門的な運用ノウハウをもった運用会社が提供することにより、効果的な運用が可能になる。

 ――住宅機関債ファンドの期待運用利回りは?

 12年4月23日に設定した「パインブリッジ日本住宅金融支援機構債ファンド」(愛称:フラットさん)<2012042301>(★★、評価基準日=5月31日)は、設定来約4年間で基準価額は8.3%上昇している。ポートフォリオの利回りは、4月末現在0.80%。現在では約150億円規模になっており、マイナス金利導入以降流入額も増加傾向にある。

 また、15年7月31日に設定した米国住宅機関債を投資対象とした「パインブリッジ米国住宅支援機関債ファンド」(愛称:ミスターホーム)「為替ヘッジあり」<2015073104>は、今年4月末まで設定来9カ月間で基準価額は1.8%上昇した。ポートフォリオの利回りは4月末現在3.51%となる。「為替ヘッジなし」<2015073105>は、設定時に比べて円高が影響して現在はマイナスのリターンになっている。

 運用効率を考えると、米国住宅機関債の場合は、過去10年間の米ドル建て年率リターンは4.73%で、これに対するリスクは2.57%。運用の効率性(リターン/リスク)は1.84と高い。これは、同時期の米国債、日本国債よりも魅力的な投資対象であったことを示している。

 ――日本はマイナス金利下での住宅機関債の運用見通しは?

 日本の金融緩和政策は簡単には解消しないと考えられる。超低金利で絶対利回りの水準が低く、10年の日本国債でさえ、マイナス利回りとなる環境下で、絶対金利でプラスの利回りの住宅機関債は多くの投資家からの需要が高く、今後も人気が続くと考えている。住宅機関債市場の環境変化を捉えてキャピタルゲインにつなげたい。

 ――利上げ局面にある米国の住宅機関債の運用見通しは?

 住宅機関債は、政府系機関の信用力を背景に、景気の回復・後退局面においても、相対的に効率の良い収益性がある。2000年以来、米国利上げ局面を含めた過去16年間の米国住宅機関債のパフォーマンスは、3年間保有した場合のリターンが全てプラスになっている。今後の低金利環境の長期化などから、日本国内の日本国債を中心に運用している投資家や、乱高下の激しい株式市場からの退避的な資産としてなど、米国債と同等の格付けを有する米国住宅機関債への投資需要は高いとみる。また、今後も機関投資家を中心とした買い需要に支えられ安定したパフォーマンスを期待する。

 日本の国債利回り+αをめざす「フラットさん」、そして、「フラットさん」+αの利回りをめざす「ミスターホーム」(為替ヘッジあり)、さらに、為替のリスクをとる「ミスターホーム」(為替ヘッジなし)と、投資家の目標とするリターンやリスクに対応する商品がそろった。住宅機関債は、信用リスクを抑えながら比較的高いリターンが期待され、身近な住宅ローンが裏づけ資産という分かりやすい投資対象だ。マイナス金利時代に、資産運用のコアになる安定収益資産として、ぜひ、ご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
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