ピムコに聞くマイナス金利時代の外貨建て社債の為替ヘッジ投資、SBI−PIMCOベターインカムF登場

 マイナス金利時代となり、国債の市場利回りは10年債がマイナス0.1%、15年債までゼロ%利回りなど、安定的に円建てで利回りを確保できる商品が極めて少なくなっている。6月7日からSBI証券で募集が始まった「SBI−PIMCO ジャパン・ベターインカム・ファンド」(愛称:ベタイン)は、信用格付けがA格以上の日本企業が外貨建てで発行する債券に為替ヘッジを行って投資し、この異常な低金利時代に「低リスクで安定したインカム収入」をめざす商品として注目される。

 「ベタイン」を設定運用するのは、SBIボンド・インベストメント・マネジメント。SBIホールディングスとピムコ社が共同で設立した運用会社で、このファンドが第1号ファンドになる。ピムコは債券運用のスペシャリストとして知られ、アクティブ債券運用残高は15年12月末で約163兆円と世界最大級の運用会社である。日本の円建て債券に特化したファンドも2002年より運用している。年金基金など機関投資家や個人投資家向けに総額約8000億円規模で運用している実績がある。

 「ベタイン」の実質的な運用を担当するピムコジャパンリミテッドのポートフォリオマネージャー覚知禎氏は、「世界経済は年率2%程度の低い成長率となり、インフレ率が高まりにくい環境が続くだろう。米国は利上げサイクルに入っているが、グローバルな低成長が続くなか、日本や欧州が金融緩和姿勢を続けている状況では、米国の金利の上昇幅も緩やかだと考える。現在は、社債投資にとって、安定的な利息収入を獲得しながら運用が続けられる良い環境といえる」と語っており、為替ヘッジをして外貨建て社債に投資する同ファンドが、「安定利回りを得る有効な手段のひとつ」としている。

 覚知氏によると、「日系企業の発行する外貨建て債券は、投資対象としての需要は高まっているものの、発行体の資金調達需要も高く、依然として魅力的な投資対象といえる」という。外貨資金調達ニーズの強いのは銀行で、低い国内融資需要と比較すると海外での融資需要は強く、メガバンクを中心に外貨建ての貸し付けを急速に増やしており、この資金調達のため外貨建て債券発行を活発化している。また近年では規制対応のための債券発行ニーズも出てきている。そのほかにも、自動車会社の金融子会社が自動車ローンの資金調達のために債券を定期的に発行したり、日本企業が海外企業を買収する際の資金調達などによる発行も行われている。

 ピムコの債券運用の特徴は、「トップダウンとボトムアップの融合にあり、グローバル経済やインフレ率、金融政策などマクロの分析に加え、世界各国のクレジットアナリストからの報告を踏まえて多面的に判断している。また、このようなグローバルな視点とローカルな分析力を背景とした運用力、グローバルな運用体制で外貨建て債券への取引の優位性などが他社に対する強みである」(覚知氏)という。

 「ベタイン」のモデルポートフォリオは、為替ヘッジ後の利回りで4月末現在1.74%になるという。ファンドの信託報酬(運用にかかる費用)が実質年0.572%と、同種のファンドの平均的な信託報酬率1.01%より低く抑えていることも特徴だ。

 なお、販売を担当するSBI証券は、同ファンドをネットで申し込んだ場合の販売手数料は無料。また、当初募集期間の6月29日までに50万円以上を購入すると、現金2千円など、最大で現金2万円(申込金額1000万円以上)をプレゼントするキャンペーンを展開している。
提供:モーニングスター社
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