<★★★★★>三井住友アセットの「マイパッケージ30」、固定配分比率型バランス運用で高い運用効率

 三井住友アセットマネジメントが運用する「三井住友・DC年金バランス30(債券重視型)」(愛称:マイパッケージ30)<200509300A>(★★★★★、評価基準日=5月31日)は、モーニングスターレーティング最高格付けの5つ星となった。5年(年率)トータルリターンが6.70%とカテゴリー(安定成長)平均(6.59%)を上回り、リスク(標準偏差)は5.66と平均(10.47)を大幅に下回っているため、シャープレシオが1.18と同一カテゴリー(平均0.71)でトップから5%範囲内の高い効率性を示している。ファンドの特徴について、三井住友アセットマネジメントの商品部商品開発課長の曽志崎雄大氏に聞いた。

 ――「マイパッケージ30」は、05年9月の設定から、過去10年(年率)、5年、3年と、いずれの期間でもトータルリターンがカテゴリー平均を上回り、同平均よりも抑えたリスクで運用している。運用の特徴は?

 「マイパッケージ」シリーズは、伝統的なバランス運用を行うシリーズです。実質的に投資する資産も国内株式と債券、先進国株式と債券という4資産で、それぞれについて代表的なインデックスに連動するパッシブファンドを組み入れます。「マイパッケージ30」は、株式への投資比率を30%(国内株式20%+外国株式10%)としてリスクを抑えた運用を目指します。

 これまでのパフォーマンスを押し上げたのは、国内債券55%、国内株式20%とし、合わせて75%を国内に投資して為替リスクを避けたことに加え、国内債券が金利低下によって大きく値上がりしたことが背景にあります。「マイパッケージ30」は、資産配分比率固定型なので、55%の比率で国内債券を持ち続ける運用をしたため、債券の値上がりがパフォーマンスを押し上げました。

 また、DC専用ファンドとして設定した経緯から、信託報酬は年0.22%と類似ファンド(カテゴリー平均は1.25%)と比較すると低い水準にあり、これも長期的なパフォーマンスの優位性に寄与しています。

 非常にシンプルな運用をするファンドですが、資産配分比率の決定においては、当社の運用部門で十分に議論し、運用期間を区切ったいくつものバックテストや、さまざまなリスクシナリオを想定してシミュレーションを重ねたうえで、最適な配分比率を導き出しています。結果的に、その配分率を維持する運用を粛々と重ねた結果が、その他のさまざまな運用手法を組み込んだバランス運用に勝ったということになります。

 ――「マイパッケージ」シリーズは、DC専用ファンドだった商品を15年12月に一般向けの商品に開放した。御社はDC専用ファンドの一般向け開放という点で、業界に先駆けた存在だが、販社や受益者からの反響は?

 低コストで分かりやすいという商品性を高く評価していただいています。DC専用ファンドは、年金をつくるために長期の運用が前提になっており、「ノーロード」かつ「低コスト」を商品特性として持っています。これらは、公募投信でも近年特に強く求められる商品ニーズにかなっています。

 当社ではDC制度の運用ニーズに適うDC専用商品を数多く持っていますが、その中で、優れて運用成績が良いものを一般向けのファンドとして開放していきたいと考えています。

 ――これまでの運用成績が、国内債券の値上がりで押し上げられているという話だったが、マイナス金利時代で国内債券の運用が厳しくなるなか、今後のファンド運用は、難しくなるのでは?

 国内金利がマイナス金利となる中で、金利低下により更なるリターンを獲得できるかどうかという点については不確実な部分もあります。しかしながら、「内外株式や外国債券へ分散投資していること」と「低コストであること」を強みに現在の運用ポートフォリオの最終利回りから信託報酬(0.22%)を控除しても一定のインカム収入を確保できていることから、引き続き安定的なパフォーマンスは確保できると想定しています。インカム収入には外国債券のクーポン(利息収入)に加え、日本株式や外国株式の配当収入も加わりますので、国内債券利回りがマイナスになってもインカム収入を稼ぐ手段となります。

 一方、株式の価格変動率が大きくなっているため、この価格変動の影響は避けられません。ただ、米国株式を除く先進国の株価は、割高とはいえない水準と判断しています。長期的には世界経済の成長を取り入れる資産クラスとして価値が高まってくると思います。

 長期に積み立て投資をすることで資産形成をしていく手段として「マイパッケージ30」をご検討ください。
提供:モーニングスター社
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