<★★★★★>DIAM「新興国中小型株F」、低リスク/高リターンを実現する2つの投資戦略の併用
DIAMアセットマネジメントが設定・運用する「ネット証券専用ファンドシリーズ 新興国中小型株ファンド」<2011072204>が7月末基準でモーニングスターレーティング最高格付けの★★★★★になった。トータルリターン(5年<年率>=7.92%、3年<年率>=4.05%)が、カテゴリー(国際株式・エマージング・複数国(F))の平均(5年=3.60%、3年=1.42%)を上回り、かつ、リスク(標準偏差)が平均を下回ることから、運用の効率性を示すシャープレシオが高い。DIAMアセットマネジメント株式運用本部 上席ポートフォリオマネジャーの菊地尚文氏に運用の特徴について聞いた。
――ファンドの特徴は?
新興国の高成長を享受しやすい中小型株に選別投資し、「低ボラティリティ戦略」と「ファンダメンタル戦略」を併用するハイブリッドな運用によって、低リスク/高リターンの運用成果をめざしている。
まず、新興国中小型株にはアナリストカバー率が低い銘柄が多く、割安に放置された優良企業が多数存在する。当ファンドのユニバース(投資する範囲)は約2300銘柄だが、このうち、継続的に調査をしているアナリストが5名未満の企業が約半数を占める。ファンドでは、流動性に問題のない200銘柄程度でポートフォリオを組んでいるが、新興国中小型株ならではの成長率や割安度を示す魅力的な銘柄を組み入れている。
また、広い選択肢から優良銘柄を絞り込む作業は計量戦略が有効に働き、当社が年金運用などで培ったクオンツ運用の特徴が生かせる分野といえる。銘柄選定には当社とみずほ第一フィナンシャルテクノロジー社が共同開発したモデルを使っている。
――低ボラティリティ戦略とは?
大きな投資収益を狙う場合は、値動きが大きな銘柄に注目しがちだが、実際の市場では、リスク(価格変動率)が小さい銘柄の方が、より大きなリターンを得られることが実証されている。この傾向はどの市場でも通用し、新興国により強く効果が現れることがわかっている。
この効果は行動心理学の「宝くじ効果」(ヒトは一攫千金を夢見て宝くじに飛びつきがち、つまり、ボラティリティの大きな銘柄は割高になりやすい)などで説明されることもある。また、逆も真なりで変動率が低い銘柄は注目されにくいため、本来価値よりも割安に放置されやすい側面もある。
――独自のファンダメンタル戦略とは?
割安で高成長の魅力的な銘柄を選定する伝統的な投資手法だが、当社が使っている「エクセスリターンモデル」は、「バリュエーション分析」(利益水準・企業価値と株価を比較)と「成長性分析」(実績と予想変化の両面で分析)の2つの軸で評価して銘柄を抽出している。大量のデータを網羅的かつ客観的に回析できる能力があり、ユニバース内の全銘柄を徹底的に比較して優位な銘柄をピックアップできる。
このモデルは20年来の稼働実績があり、先進国モデル・日本モデルと同系列で新興国モデルを開発した。モデルの有効性を常にモニターしていることも特徴だ。
2011年7月の運用開始から16年7月までの5年間をみると、リスク面で新興国中小型株インデックスが21.5%だったところ、ファンドは19.2%に抑え、リターンはインデックスがプラス3.15%のところ、ファンドはプラス9.59%だった。市場の下落時には「低ボラティリティ戦略」、上昇時には「ファンダメンタル戦略」と、2つの戦略が市場局面ごとに有効性を発揮し、相互に補完することで、トータルとしての優れたリターンにつながっている。銘柄ベースでも、割安が故に底堅く、成長性があるも注目度が低く、「じわじわと」上昇していく銘柄が、国・業種を超え幅広く組み入れられているファンドになっている。
――当面の運用方針は?
ここ3年連続で新興国市場から資金流出が続き、16年半ばまでに新興国ファンドからの資金流出額は累積で約13兆円に達した。そして、この夏に新興国市場からの資金流出にピークアウト感が出てきたところだ。インドやアセアン諸国の経済が総じて好転していることなど、全体的にポジティブに評価できるようになってきた。
20年に及ぶ外国株式の運用者としての経験から、上昇時の値上がり幅は、下落で失う幅には勝てないことを身に染みている。「低ボラティリティ戦略」によって下落時のダメージを抑える当ファンドの運用戦略は、特に長期で運用する新興国株式の投資戦略として理に適っている。新興国の成長を長期で運用成績に取り入れていくファンドとして注目していただきたい。
提供:モーニングスター社
――ファンドの特徴は?
新興国の高成長を享受しやすい中小型株に選別投資し、「低ボラティリティ戦略」と「ファンダメンタル戦略」を併用するハイブリッドな運用によって、低リスク/高リターンの運用成果をめざしている。
まず、新興国中小型株にはアナリストカバー率が低い銘柄が多く、割安に放置された優良企業が多数存在する。当ファンドのユニバース(投資する範囲)は約2300銘柄だが、このうち、継続的に調査をしているアナリストが5名未満の企業が約半数を占める。ファンドでは、流動性に問題のない200銘柄程度でポートフォリオを組んでいるが、新興国中小型株ならではの成長率や割安度を示す魅力的な銘柄を組み入れている。
また、広い選択肢から優良銘柄を絞り込む作業は計量戦略が有効に働き、当社が年金運用などで培ったクオンツ運用の特徴が生かせる分野といえる。銘柄選定には当社とみずほ第一フィナンシャルテクノロジー社が共同開発したモデルを使っている。
――低ボラティリティ戦略とは?
大きな投資収益を狙う場合は、値動きが大きな銘柄に注目しがちだが、実際の市場では、リスク(価格変動率)が小さい銘柄の方が、より大きなリターンを得られることが実証されている。この傾向はどの市場でも通用し、新興国により強く効果が現れることがわかっている。
この効果は行動心理学の「宝くじ効果」(ヒトは一攫千金を夢見て宝くじに飛びつきがち、つまり、ボラティリティの大きな銘柄は割高になりやすい)などで説明されることもある。また、逆も真なりで変動率が低い銘柄は注目されにくいため、本来価値よりも割安に放置されやすい側面もある。
――独自のファンダメンタル戦略とは?
割安で高成長の魅力的な銘柄を選定する伝統的な投資手法だが、当社が使っている「エクセスリターンモデル」は、「バリュエーション分析」(利益水準・企業価値と株価を比較)と「成長性分析」(実績と予想変化の両面で分析)の2つの軸で評価して銘柄を抽出している。大量のデータを網羅的かつ客観的に回析できる能力があり、ユニバース内の全銘柄を徹底的に比較して優位な銘柄をピックアップできる。
このモデルは20年来の稼働実績があり、先進国モデル・日本モデルと同系列で新興国モデルを開発した。モデルの有効性を常にモニターしていることも特徴だ。
2011年7月の運用開始から16年7月までの5年間をみると、リスク面で新興国中小型株インデックスが21.5%だったところ、ファンドは19.2%に抑え、リターンはインデックスがプラス3.15%のところ、ファンドはプラス9.59%だった。市場の下落時には「低ボラティリティ戦略」、上昇時には「ファンダメンタル戦略」と、2つの戦略が市場局面ごとに有効性を発揮し、相互に補完することで、トータルとしての優れたリターンにつながっている。銘柄ベースでも、割安が故に底堅く、成長性があるも注目度が低く、「じわじわと」上昇していく銘柄が、国・業種を超え幅広く組み入れられているファンドになっている。
――当面の運用方針は?
ここ3年連続で新興国市場から資金流出が続き、16年半ばまでに新興国ファンドからの資金流出額は累積で約13兆円に達した。そして、この夏に新興国市場からの資金流出にピークアウト感が出てきたところだ。インドやアセアン諸国の経済が総じて好転していることなど、全体的にポジティブに評価できるようになってきた。
20年に及ぶ外国株式の運用者としての経験から、上昇時の値上がり幅は、下落で失う幅には勝てないことを身に染みている。「低ボラティリティ戦略」によって下落時のダメージを抑える当ファンドの運用戦略は、特に長期で運用する新興国株式の投資戦略として理に適っている。新興国の成長を長期で運用成績に取り入れていくファンドとして注目していただきたい。
提供:モーニングスター社