<★★★★★>「日興BR・ヘルスサイエンス・F」、メディテックなどヘルスケア新成長分野にも注目(1)
ブラックロック・ジャパンが設定・運用する「日興ブラックロック・ヘルスサイエンス・ファンド(為替ヘッジなし)」<2013092705>は、9月末基準でモーニングスターレーティング最高位★★★★★に格付けされた。過去3年(年率)トータルリターンが12.20%とカテゴリー(国際株式・グローバル・含む日本(F))平均(4.09%)を大きく上回っている。同ファンドの特徴や運用方針について、リテール営業部ディレクターの大石聡志氏に聞いた。
――ファンドの特徴は?
世界のヘルスサイエンス関連企業に投資しているが、同ファンドを設定した13年9月から16年9月までの3年間で、MSCIワールド・ヘルスケア・インデックスのパフォーマンスは、世界株式MSCIワールド・インデックスを大きく上回っている。当ファンドの主要投資対象「BGFワールド・ヘルスサイエンス・ファンド」(米格付★★★★、9月末基準)は、そのヘルスケア・インデックスをさらに上回るパフォーマンスを実現している。
ヘルスケア・セクターが注目を集めたきっかけは、これまでの世界的な需要の増加、バイオテクノロジーなどの新たな創薬や、医療機器のイノベーションのトレンドに加え、米国で「オバマケア(医療保険制度改革法<10年発行、14年1月施行>)」が始まり、医療保険や、ヘルスケアITの整備、ヘルスケアITを活用した予防医療の産業化が進んできたことにある。
また、ヘルスケア・セクター企業のM&A(企業の合併・買収)が活発化したこともその背景にある。その要因は大きく2つあり、製薬業界でM&Aによって新薬の開発にかかる時間と研究開発費を圧縮するという狙い。もうひとつは、合併によって法人税率の低い国に納税拠点を移す「コーポレート・インバージョン」効果を狙ったものだ。
ただ、過去1年ほどはヘルスケア・インデックスが米国株式指数などを下回る展開が続いている。これは、米大統領選挙で、オバマケア廃止や高額医薬品の薬価引き下げなど、ヘルスケア業界にとってネガティブな議論が活発化し、市場が動向を注視していることが挙げられる。
また、M&Aについては、今年4月からインバージョンに関する規制が強化され、インバージョンを狙ったM&Aにブレーキがかかったことも影響し、16年のヘルスケア関連のM&Aは、案件、取引量ともに減少した。
――貴社のヘルスサイエンス・チームの運用の特徴は?
ブラックロックのヘルスサイエンス・チームは、高額医薬品の薬価引き下げなどの議論がある医薬品をアンダーウエートにし、ライフサイエンス・ツールに対する堅調な需要、医療サービス・アウトソーシングやリテール・クリニックの拡大が見られるヘルスケア機器・用品やヘルスケア・プロバイダーサービスをオーバーウエートにしている。
ヘルスサイエンス・チームは、「現在のヘルスケア・インデックスは、保守的で医薬品の比率が高い。ヘルスケア産業の新しいトレンドを反映していない」と考えている。インデックスを強く意識することなく、柔軟なセクター配分を行っていることに特徴がある。
特に同チームが注目しているヘルスケア機器・用品は、介護関連機器や次世代遺伝子解析機器の登場に見るように成長が著しい。医療がテクノロジーと結びついた「メディテック(医療テクノロジー)」は、薬物療法によらない新しい医療サービスの拡大も促しており注目されている。
また、チームのポートフォリオマネジャーは、医学博士やバイオ分野で博士号を持つメンバーで構成されている。運用拠点を置くボストンでは、医学関連の学会などが数多く開催され、ボトムアップで企業訪問などを行う一方で、学会の動きや医師・薬剤師コミュニティーへのリサーチを並行して行っている。
(2)へつづく
提供:モーニングスター社
――ファンドの特徴は?
世界のヘルスサイエンス関連企業に投資しているが、同ファンドを設定した13年9月から16年9月までの3年間で、MSCIワールド・ヘルスケア・インデックスのパフォーマンスは、世界株式MSCIワールド・インデックスを大きく上回っている。当ファンドの主要投資対象「BGFワールド・ヘルスサイエンス・ファンド」(米格付★★★★、9月末基準)は、そのヘルスケア・インデックスをさらに上回るパフォーマンスを実現している。
ヘルスケア・セクターが注目を集めたきっかけは、これまでの世界的な需要の増加、バイオテクノロジーなどの新たな創薬や、医療機器のイノベーションのトレンドに加え、米国で「オバマケア(医療保険制度改革法<10年発行、14年1月施行>)」が始まり、医療保険や、ヘルスケアITの整備、ヘルスケアITを活用した予防医療の産業化が進んできたことにある。
また、ヘルスケア・セクター企業のM&A(企業の合併・買収)が活発化したこともその背景にある。その要因は大きく2つあり、製薬業界でM&Aによって新薬の開発にかかる時間と研究開発費を圧縮するという狙い。もうひとつは、合併によって法人税率の低い国に納税拠点を移す「コーポレート・インバージョン」効果を狙ったものだ。
ただ、過去1年ほどはヘルスケア・インデックスが米国株式指数などを下回る展開が続いている。これは、米大統領選挙で、オバマケア廃止や高額医薬品の薬価引き下げなど、ヘルスケア業界にとってネガティブな議論が活発化し、市場が動向を注視していることが挙げられる。
また、M&Aについては、今年4月からインバージョンに関する規制が強化され、インバージョンを狙ったM&Aにブレーキがかかったことも影響し、16年のヘルスケア関連のM&Aは、案件、取引量ともに減少した。
――貴社のヘルスサイエンス・チームの運用の特徴は?
ブラックロックのヘルスサイエンス・チームは、高額医薬品の薬価引き下げなどの議論がある医薬品をアンダーウエートにし、ライフサイエンス・ツールに対する堅調な需要、医療サービス・アウトソーシングやリテール・クリニックの拡大が見られるヘルスケア機器・用品やヘルスケア・プロバイダーサービスをオーバーウエートにしている。
ヘルスサイエンス・チームは、「現在のヘルスケア・インデックスは、保守的で医薬品の比率が高い。ヘルスケア産業の新しいトレンドを反映していない」と考えている。インデックスを強く意識することなく、柔軟なセクター配分を行っていることに特徴がある。
特に同チームが注目しているヘルスケア機器・用品は、介護関連機器や次世代遺伝子解析機器の登場に見るように成長が著しい。医療がテクノロジーと結びついた「メディテック(医療テクノロジー)」は、薬物療法によらない新しい医療サービスの拡大も促しており注目されている。
また、チームのポートフォリオマネジャーは、医学博士やバイオ分野で博士号を持つメンバーで構成されている。運用拠点を置くボストンでは、医学関連の学会などが数多く開催され、ボトムアップで企業訪問などを行う一方で、学会の動きや医師・薬剤師コミュニティーへのリサーチを並行して行っている。
(2)へつづく
提供:モーニングスター社