ウィズダムツリーが東京オフィス開設1周年、ETFイノベーターとして一段の成長をめざす

 ウィズダムツリー・ジャパンは12月1日、東京・丸の内で「東京オフィス開設1周年記念ETFセミナー」を開催した。米本社WisdomTree Investments,Inc.のCEO兼社長のジョナサン・スタインバーグ氏は、「ウィズダムツリーは2006年にETF(上場投資信託)市場に参入した時から、日本を重要な市場と位置づけ、早くから日本に投資するETFを立ち上げ、世界の投資家に日本の魅力を紹介し、大きな成果を上げた。そして、1年前に、東京オフィスを開設し、日本の投資家に世界の市場に投資するETFを紹介し始めた。今後もETFイノベーターとして、日本の皆さまに魅力的な投資機会を提供し続けたい」と語った。

 セミナーの全体テーマは、「2017年の市場見通しと投資テーマ」。同社が提供するETFへの資金流出入やパフォーマンスなどを手掛かりに、グローバル市場、そして、日本市場の見通しについて4部構成でセミナーを開催した。

 「グローバル市場の見通しと投資テーマ」で講演したWisdomTree Asset Managementチーフ投資ストラテジストのルチアーノ・シラクサーノ氏は、米国でトランプ氏が次期大統領に選ばれた11月8日が、「世界の市場の大きな転換点になり得る」とした。

 トランプ氏が掲げる「大型減税」「規制緩和」「インフラ整備」は米国経済の成長力を加速し、「米国10年債利回りは3%をめざし、円は125円になる可能性がある。トランプ次期大統領決定以来3週間で、最もパフォーマンスが良かったのは、米国小型株、日本株、米国中型株、米ドル、S&P500の順だったが、この傾向は当面続くだろう」と語った。そして、米国株式への投資では、配当利回り重視、かつ、クオリティーの高い銘柄への選別投資が有効だという見方を示した。

 次に、「日本市場の見通しと投資テーマ」を題材に講演したウィズダムツリー・ジャパンCEOのイェスパー・コール氏は、「米国で共和党が両院で過半数を確保し、これまでのねじれ国会に終止符が打たれたことで、米国、中国、日本という世界の大国がそろって政治的な安定期を迎えた。このことにより、パラダイムシフトがおこるだろう。リーマン・ショック後に中央銀行主導だった金融市場は、米日中の財政政策に注目が移るだろう。そして、デフレの時代はインフレへと転換するだろう」との大局観を示した。

 そして、日本で始まったコーポレート・ガバナンス、スチュワードシップ・コードなど株主重視の経営は、日本の株式市場の構造を大きく変化させたとし、「2016年は企業収益がマイナスになったにもかかわらず、自社株買いや配当総額が増加するという史上初めての現象が起こった」と強調した。「日本株は海外市場と比較して各種株価指標も割安な水準にあり、企業収益の回復も期待されることから、2017年は日本株が強い1年になるだろう。為替が1ドル=125円を目指すのであれば、日経平均株価は2万5000円をつける展開になるだろう」と語った。

 また、「グローバル資産運用業界の変化−規制、テクノロジー、ETF」と題して講演したジョナサン・スタインバーグ氏は、「米国のDOL(労働省)ルール、カナダの投資商品への新開示ルール『CRM2』、英国で商品手数料を廃止する『RDR』など、世界的に資産運用ビジネスで“コミッションからフィーへ”の流れが加速している。米国でもミューチュアルファンドからETFへの資金還流は明らかな流れだ」と語り、「フィービジネスの拡大は、資産運用の黄金時代をもたらすだろう」と見通した。

 そして、「伝統的なアクティブ運用は衰退し、スマート・ベータなど“ルールベースのアクティブ運用”が主流になる」との見方を示した。

 最後に、特別講演として内閣参与の谷口智彦氏によるアベノミクスの回顧と展望をテーマにした講演があり、「アベノミクスの継続性と一貫性こそが、2020年以降の日本に希望の灯となるだろう」と、人口減少社会に成長戦略を模索するアベノミクスの取り組みについて語った。
提供:モーニングスター社
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