大和住銀投信投資顧問「グランシェフ」、投資テーマを入れ替えながら中長期で小型成長株を中心に厳選投資

 大和住銀投信投資顧問が17年1月27日に新規設定した「日本成長テーマフォーカス(愛称:グランシェフ)」<2017012701>は、「投資テーマ」にフォーカスして今後の成長企業を発掘することをめざす日本株ファンドだ。投資テーマを、社会の変化を捉えて見直しをしていく柔軟な姿勢に特徴がある。また、徹底した足で稼ぐボトムアップアプローチによって投資テーマのアイデアも見出すという。同ファンドのシニア・ファンドマネージャーである大和住銀投信投資顧問の株式運用第一部バリュー+αグループの永田芳樹氏に、同ファンドの運用の特徴について聞いた。

 ――投資テーマをローテーションするファンドと聞くと、その時々の人気銘柄を追いかけていくファンドに思えるが、「グランシェフ」の特徴は?

 「グランシェフ」の投資アイデアは、中長期に安定的にTOPIX(東証株価指数)をアウトパフォームすることをめざす年金運用をベースに企画したので、基本的な投資姿勢は中・長期の安定運用だ。着目する投資テーマは中・長期に通用するアイデアであることが前提。その投資テーマが一般社会でも話題になる以前から注目し、関連銘柄をポートフォリオに組み入れるようにしている。投資テーマの発見から、ファンドへの組み入れは比較的時間をかけて行っている。

 「グランシェフ」では、成長企業を見出すポイントを5つの分野(海外戦略、日本再構築、トレンド対応力、技術力、経営力)に整理した。この5分野に、3年−5年間にわたる投資テーマを20ほど設定し、関連銘柄を調査している。投資テーマは、マクロ環境・業界動向などの分析に加え、ボトムアップ調査によって蓄積した情報を融合させて発掘、決定している。

 ――具体的に投資テーマを決定し、銘柄選定を行うプロセスは?

 投資対象銘柄に規模別の制限はないが、流動性を確保する点から時価総額が30億円に満たない企業は除外し、また、債務超過や非投資適格銘柄(信用格付けがBBプラス以下)は投資対象から外している。そして、この投資適格と判断される銘柄群の中から、週次ミーティングで「投資テーマ」と「個別銘柄」を討議し、銘柄を決定している。組み入れ銘柄数は60−80銘柄程度と、比較的絞り込んでいる。

 まず、私も所属するバリュー+αグループは、チームで年間3000件を超える企業調査を実施していることがポイントだ。私自身も年間130件を超える企業訪問など合計300件を超える調査を行っている。個別企業を訪ね歩いていると、たとえば、ある人材派遣会社で月次の売上高が上向いてきていることがわかる。それが同業に広がっているかを調べる。今回、業界全体に広がることが確認できるまで、2−3年がかかった。今でこそ「人手不足」が深刻化して人材派遣会社の業績は絶好調だが、2010年、11年ごろは多くのアナリストが人材派遣会社を調べることすらしていなかった。

 このような小さな変化から、時代の動きといえる投資テーマを見出すことは簡単ではないが、テーマに結びつきそうな動きを発見すると、まず、少し買っておいて、確信度が高まるに従がって、少しずつ買い増していくという方法をとっている。少しずつ買い増していくときには、成長性に対して割安な株価で投資するGARP(Growth at Reasonable Price)の考え方で慎重に買い進めていく。

 また、このようにして見出す投資テーマにもライフサイクルがあると考えている。3カ月程度でテーマの新設、または、入れ替えを考える。テーマの入れ替えを行うことによって、中・長期的な時代の変化を捉えて安定的な運用成績につなげたいと考えている。

 ――当面の投資環境は、ファンドにとって追い風か?

 現在の市場は米トランプ政権の経済政策の行方、北朝鮮問題など、先行きが不透明な状況にあって、ちょっとしたニュースで大きく売られやすい環境になっている。当ファンドは、できるだけ「みんなが持っている株式」は避けるようにしているので、リスクオフになって、みんなが持っている株式が売られる下落局面には強い性格がある。

 現在のポートフォリオは、TOPIX(東証株価指数)に対して、小型株を大幅にオーバーウエイトし、大型株、中型株はアンダーウエイトになっている。大型株を中心に投資する日本株ファンドを持っておられる方には、分散の意味で小型株を中心に投資している当ファンドを組み入れる価値はあると思う。中・長期に高い成長が期待できる日本株ファンドとして、投資をご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
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