ITCインベが東南アジア3カ国と中国小型株に投資する「日興新時代アジア株式ファンド」29日設定(2)

 ITCインベストメント・パートナーズは1月29日、東南アジア諸国3カ国に加えて中国の小型株に投資する「日興新時代アジア株式ファンド」の運用を開始する。1月にASEAN(東南アジア諸国連合)先行加盟国6カ国と中国間で締結されている自由貿易協定において大部分の品目の関税が撤廃され、2015年には新規加盟国でも撤廃される予定であることから、アジアに19億人超の規模の巨大自由貿易圏が誕生する見通しのもと、「新時代アジアのけん引役と成り得る国々」(プロダクト・サービス部)である東南アジアの3カ国(インドネシア、ベトナム、マレーシア)の株式に加え、中国の小型株に投資するファンドとなる。

 ITCインベでは、ASEAN全体での成長性に加えて、(1)「人口ボーナス期」(2)資源という切り口で投資対象となる国々を選別し、ASEAN各国の中でもインドネシア、ベトナム、マレーシアに着目している。
 「人口ボーナス期」とは、生産年齢(15歳以上65歳未満)人口を生産年齢に属さない人口で割った指数が2.0を超えている期間を指し、一般的に「人口ボーナス期」には高い経済成長が期待できるとされる。
 ASEAN諸国と中国を見ると、中国とタイが2010年で「人口ボーナス期」がピークアウトする傾向であるのに対し、ベトナム、マレーシア、インドネシアは2020年から2030年にかけてピークが見込まれるなど、経済成長のさらなる拡大が期待される。一方、フィリピンはピークがさらに先であり、「人という資源を活かすことのできる」(同)3カ国に注目したという。

 また、投資対象国は比較的資源国が少ないとされる東南アジア諸国の中でも、3カ国が資源国である点に着目。インドネシアはすでに世界第4位の人口を抱えていることに加え、石油や天然ガス、天然ゴム、パーム油などを産出。マレーシアは人口規模は小さいものの、同じく天然ゴムやパーム油などを産出することに加え、注目の高まっている「レアアース」の産出国でもあるという。ベトナムはコーヒー豆などの農産物に加え、南シナ海にも油田を持ち、安価な労働力の提供先として日本企業なども多く進出している。

 インドネシア、ベトナム、マレーシア、中国の各市場の上場銘柄が投資ユニバースとなるが(中国小型株は、主に香港H株、レッドチップ、上海ならびにシンセンB株に投資)、最終的な構成銘柄については60銘柄から80銘柄程度で構成される予定。実際の運用を担当するフラトン・ファンド・マネジメントの担当ファンドマネジャーも運用経験10年以上と経験豊富であり、アジア諸国の株式に造詣が深い。アジア株の知識を活かし、ボトムアップ中心での銘柄選別となるが、株価のバリューションや国別の経済動向などの情報も加味したバランスのとれたポートフォリオの構築を目指すとしており、比較的ボラテリティの高い株式市場である新興国で「市場を上回るパフォーマンスを目指す」(同)点に特徴があるという。

主な購入費用など
 申込単位:10万円以上1円単位(分配金再投資コースのみ、追加申込は1万円以上1円単位)
 申込手数料(上限、税込み):3.675%
 信託報酬率(年、税込み):1.848%
 信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
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