注目は“割安”な日本とロシア、MSグローバル・マーケット・バロメーターで世界各国の株価水準をみる

 株式市場の動きが激しい。利上げ時期をめぐる思惑から米国株式が乱高下した流れを受けて、国内株式も直近、ジェットコースターのような値動きとなった。株式市場では、コロナワクチンの接種進展による景気回復期待がある一方で、米国の早期利上げ観測やコロナ感染の再拡大といった懸念材料もくすぶる。当面、強弱感が交錯した不安定な動きが続き、値幅が大きくなる場面も見られそうだ。モーニングスターのデータを使って、現在の各国の株価水準を見ておきたい。

 グローバルな株式市場の割高・割安を示す米モーニングスターの「グローバル・マーケット・バロメーター」を用いて、22日時点の株価に基づく、日米を中心とした主要国の株価水準を確認した。同指標は、モーニングスターが設ける国別株価指数の構成銘柄を対象に、アナリストが算出した予想適正株価と現時点の株価水準を比較したもので、10%割高とは予想適正株価を10%上回る水準にあることを示す。

 “割高”では、米国が6%の割高となり、3月下旬(同月29日時点)と同水準となった。1月下旬(同月27日時点)は12%割高であった。年初ほどの過熱感はないが、割高水準が続いている。インド、ニュージーランドも同様の推移となった。オーストラリアは割高感が増す結果となった。

 “割安”に目を向けると、日本が3%の割安となった。1月下旬は2%の割高、3月下旬は1%割高であり、足元で割安感が見られる結果となった。ブラジルは5%の割安(3月下旬は2%の割安)、中国は12%の割安(同5%の割安)、ロシアも12%の割安(同8%の割安)となり、いずれも3月下旬と比べて割安感が強まった。英国は4%の割安(同9%の割安)と割安感が弱まる結果となった。

 割安感のある国の中でも、ブラジルと中国には固有の懸念材料がある。ブラジルはコロナによる死者が50万人を超える中、大統領に対する抗議活動も伝えられるなど、社会情勢に不安がある。中国は「反外国制裁法」が10日に成立し、欧米諸国との対立が懸念される状況にある。また、イギリスは変異株によりコロナ感染が再拡大している。

 割安国の中で注目したいのは、日本とロシアだ。日本は足元でコロナワクチン接種が加速している。金融政策の正常化が意識される米国と違って、日銀による緩和的な金融政策の長期化が見込まれる点も支援材料となる。ロシアも、原油価格が堅調に推移している点が支えとなるほか、米国との関係改善期待がプラスに作用する可能性がある。
提供:モーニングスター社
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