21年上半期リターン・バランス型−トップは先物使用が奏功、リート、原油追い風のファンドも高い

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF、通貨選択型除く)のうち21年6月末時点の純資産残高が50億円以上のバランス型ファンドを対象に、21年上半期(1−6月)のリターン上位5ファンドを見たところ、米国株式への投資に加えて株価指数先物取引などの使用によってリターンの追求を図るファンドのほか、米国リートやNY原油の急反発が追い風となったファンドが並んだ。

 上半期トップは「BNYメロン・米国株式ダイナミック戦略ファンド」(愛称:亜米利加)でリターンは35.07%となった。同ファンドは、米国の製造業セクター(一般消費財・サービス、生活必需品、ヘルスケア、資本財・サービス、情報技術、素材)に属する成長期待のある上場企業の株式に投資するほか、米国株式市場のリスク選好度を日々算出し、株価指数先物取引および為替先渡取引等を用いて実質的な米国株式の組入比率を−50%−150%の範囲内で調整する。上昇期待があると判断した局面では実質組入比率を最大150%に引き上げて市場を上回るリターンの獲得を狙い、下落リスクがあると判断した局面では実質組入比率を引き下げて下落リスクを抑制、さらに下落リスクが高いと判断した局面では実質組入比率を−50%に調整することで下落局面下でのプラスリターン獲得を目指す。

 21年上半期の米国株式は「S&P500」(米ドルベース)が14.41%上昇したが、中でも大きく上昇した3−4月にかけて実質的な米国株式の組入比率を高水準(組入比率は両月末ともに150%)としたことなどが奏功し、高いリターンを獲得した。

 2、3位は「ダイワ 米国リート・プラス」の「(年2回決算型)為替ヘッジなし」と「(毎月分配型)為替ヘッジなし」で、リターンは順に31.83%、31.71%となった。同ファンドは、実質的に米国リートおよび米ドル建てのバンクローン等(ハイ・イールド債券等を含む)に投資する。米国リートの値動きに100%程度、バンクローン等の値動きに80%程度連動することを原則とする。21年上半期の米国リート市場は、コロナワクチンの接種進展などによる景気回復期待を背景に急反発して「FTSE/NAREITオール・エクイティ・REIT指数」(米ドルベース)が19.59%上昇した。バンクローン市場も堅調に推移し、同ファンドのリターンに寄与した。

 4、5位には「LM・アメリカ高配当株ファンド」の「年2回決算型」と「毎月分配型」がリターン25.21%、25.10%で入った。同ファンドは、高配当株式、リート、およびエネルギー関連事業に投資するMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)という米国の高配当3資産を投資対象とする。21年6月末時点の配分比率は、株式等72.9%、リート7.7%、エネルギーMLP19.4%。21年上半期は、「S&P高配当貴族指数」(米ドルベース)が15.5%上昇と高配当株が反発したほか、コロナ対策の進展や大型経済対策による景気回復期待からニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が51.42%上昇するなど、リートだけではなく原油も急反発し、同ファンドの追い風となった。
提供:モーニングスター社
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