先進国で際立つ日本株の割安感、米国は割高継続−MSグローバル・マーケット・バロメーター
日経平均株価が17日、520円安と急落した。前日は606円高と大幅高だった。新型コロナウイルスのオミクロン変異型の発生に揺れた先月末以降、米国のテーパリング(量的金融緩和の縮小)の前倒し決定と利上げ前倒し観測の高まり、主要国でのインフレ懸念の高まりなどもあり、値動きの激しい展開が続いている。年末ラリーを迎えることもあり、当面、値幅が大きくなるリスクもある。モーニングスターのデータを使って、主要国における日本株の株価水準を確認しておきたい。
株式市場の割高・割安を示す米モーニングスターの「グローバル・マーケット・バロメーター」を用いた。同指標は、モーニングスターが設ける国別株価指数の構成銘柄を対象に、アナリストが算出した予想適正株価と現時点の株価水準を比較したもので、10%割高とは予想適正株価を10%上回る水準にあることを示す
15日時点のデータを確認した。日本は8%の割安と、9月(14日時点)の3%から割安感が拡大した。同日時点の日経平均株価の終値は2万8459円と9月14日終値の3万670円から7%超下落した。日本株は本来の実力から見て元々割安な水準にあったが、足元でさらに増した格好だ。主要先進国ではドイツも6%の割安、英国も7%の割安となったが、日本の割安感が際立っている。
一方、ニュージーランドが8%、オーストラリアが6%、米国が5%の割高となった。いずれも前回ほどではないが、割高水準が継続している。
新興国では、インドが6%の割高と割高水準が継続している。一方、ロシアが18%の割安、ブラジルが19%の割安、中国が25%の割安といずれも大幅な割安水準にある。とはいえ、ロシアはウクライナを巡って欧米諸国と対立しているほか、中国は台湾を巡って米国と対立を深めるなど地政学リスクを抱える。また、新興国には米金利上昇に伴う資金流出リスクもあり、積極的なスタンスは難しそうだ。
提供:モーニングスター社
株式市場の割高・割安を示す米モーニングスターの「グローバル・マーケット・バロメーター」を用いた。同指標は、モーニングスターが設ける国別株価指数の構成銘柄を対象に、アナリストが算出した予想適正株価と現時点の株価水準を比較したもので、10%割高とは予想適正株価を10%上回る水準にあることを示す
15日時点のデータを確認した。日本は8%の割安と、9月(14日時点)の3%から割安感が拡大した。同日時点の日経平均株価の終値は2万8459円と9月14日終値の3万670円から7%超下落した。日本株は本来の実力から見て元々割安な水準にあったが、足元でさらに増した格好だ。主要先進国ではドイツも6%の割安、英国も7%の割安となったが、日本の割安感が際立っている。
一方、ニュージーランドが8%、オーストラリアが6%、米国が5%の割高となった。いずれも前回ほどではないが、割高水準が継続している。
新興国では、インドが6%の割高と割高水準が継続している。一方、ロシアが18%の割安、ブラジルが19%の割安、中国が25%の割安といずれも大幅な割安水準にある。とはいえ、ロシアはウクライナを巡って欧米諸国と対立しているほか、中国は台湾を巡って米国と対立を深めるなど地政学リスクを抱える。また、新興国には米金利上昇に伴う資金流出リスクもあり、積極的なスタンスは難しそうだ。
提供:モーニングスター社