米高配当株式の注目高まる、不透明な米株式市場で期待される2つの特性

 米国株式市場の先行き不透明感が深まる中で、米高配当株式に対する注目が高まりつつある。米高配当株式ファンドが関心を集めることもありそうだ。

 直近、米高配当株式に焦点を当てた運用会社のレポートが複数公表されている。いずれも米高配当株式の有する2つの特性に注目している。第一の特性は、相対的な底堅さである。「S&P500(配当込、米ドルベース)」と、S&P500構成銘柄のうち過去25年間連続して増配している銘柄からなる「S&P500配当貴族指数(配当込、米ドルベース)」の6月27日時点における昨年末からの騰落率を見ると、「S&P500」が17.56%下落したのに対して、「S&P500配当貴族指数」の下落率は10.46%に留まっている。相場の下落局面において、安定的な配当収入が支えとなった格好だ。

 第二の特性は、長期的に良好なパフォーマンスである。2000年末を起点として2022年5月末までのパフォーマンスを見ると、「S&P500(配当込、米ドルベース)」も4.74倍と良好であったが、「S&P500配当貴族指数(配当込、米ドルベース)」は8.69倍と大幅に上回っている。相対的に高い配当を長期にわたって積み上げたこともあるが、そもそも高配当の原資となる利益を安定的に生み出すことのできる成長力のある企業を構成銘柄としていることが大きい。

 米国株式市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め加速による米景気後退が警戒されている。ウクライナ問題は長期化の様相を呈する。米国株式市場が今後も神経質な展開となった場合には、安定的な配当収入による底堅さと長期的に良好なパフォーマンスが見込まれる投資先として米高配当株式が一段と注目を集め、米高配当株式ファンドにも関心が向かうと見られる。
提供:モーニングスター社
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