米国株式が景気減速懸念に乱高下、分散投資を考える契機に
米国株式の値動きが激しい。NYダウは24日の823ドル高の後、27−28日は続落し、28日の下げ幅は491ドルとなった。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めを受けて米景気減速懸念が拡がり、不安定要因となっている。米国株式は昨年末にかけての世界株高をけん引し、米国株式ファンドには国内投資家の旺盛な資金が流入してきた。米国株式の先行きに黄信号が灯る中、分散投資について考えたい。
米国株式のみに投資した場合と、4資産(国内株式・債券、米国株式・債券)に均等に分散投資した場合を想定して、シミュレーションを行った。15年前の2007年6月末に投資を開始(同月末=10000)したとして、2022年6月(28日)までのパフォーマンスを確認した。米国株式については、米国株式に投資するモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」に属するファンドのリターンを指数化したモーニングスターインデックス「国際株式・北米(為替ヘッジなし)(単純)」を使用した。以下、米国債券は同「国際債券・北米(為替ヘッジなし)(単純)」、国内株式は同「国内大型ブレンド(単純)」、国内債券は同「国内債券・中長期債(単純)」を使用した。
15年間の累積リターンを見ると、米国株式のみは129.75%となり、4資産分散の63.61%を大幅に上回った。但し、足元の大幅な差はコロナショック後に米国株式がハイテク株主導で急騰したためである。コロナショック時の2020年3月時点では大きな差は見られず、むしろ、それまでは米国株式のみよりも4資産分散の方が安定的に推移してきたと言える。
また、リーマンショックと欧州債務危機の影響を受けた2008年1月−2013年10月、中国の景気減速懸念やBrexit(英国の欧州連合からの離脱)に揺れた2016年1−6月は4資産分散が米国株式を上回った。米国株式が冴えない局面では分散投資によるリスク抑制効果が発揮されたと言える。コロナショック時の2020年3月で見ても、米国株式のみのパフォーマンスが大幅に低下したのに対して、4資産分散の低下幅は限定的である。
ここ数年間の米国株高を支えてきた緩和的な金融政策は終了し、引き締めに転じた。インフレの動向次第では、今後、引き締めペースが加速する可能性もある。米国株式市場を取り巻く環境は大きく変化している。米国株式の先行き不透明感が深まる中、分散投資によるリスク抑制を改めて意識したい。
提供:モーニングスター社
米国株式のみに投資した場合と、4資産(国内株式・債券、米国株式・債券)に均等に分散投資した場合を想定して、シミュレーションを行った。15年前の2007年6月末に投資を開始(同月末=10000)したとして、2022年6月(28日)までのパフォーマンスを確認した。米国株式については、米国株式に投資するモーニングスターカテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」に属するファンドのリターンを指数化したモーニングスターインデックス「国際株式・北米(為替ヘッジなし)(単純)」を使用した。以下、米国債券は同「国際債券・北米(為替ヘッジなし)(単純)」、国内株式は同「国内大型ブレンド(単純)」、国内債券は同「国内債券・中長期債(単純)」を使用した。
15年間の累積リターンを見ると、米国株式のみは129.75%となり、4資産分散の63.61%を大幅に上回った。但し、足元の大幅な差はコロナショック後に米国株式がハイテク株主導で急騰したためである。コロナショック時の2020年3月時点では大きな差は見られず、むしろ、それまでは米国株式のみよりも4資産分散の方が安定的に推移してきたと言える。
また、リーマンショックと欧州債務危機の影響を受けた2008年1月−2013年10月、中国の景気減速懸念やBrexit(英国の欧州連合からの離脱)に揺れた2016年1−6月は4資産分散が米国株式を上回った。米国株式が冴えない局面では分散投資によるリスク抑制効果が発揮されたと言える。コロナショック時の2020年3月で見ても、米国株式のみのパフォーマンスが大幅に低下したのに対して、4資産分散の低下幅は限定的である。
ここ数年間の米国株高を支えてきた緩和的な金融政策は終了し、引き締めに転じた。インフレの動向次第では、今後、引き締めペースが加速する可能性もある。米国株式市場を取り巻く環境は大きく変化している。米国株式の先行き不透明感が深まる中、分散投資によるリスク抑制を改めて意識したい。
提供:モーニングスター社