世界株安の中で底堅い日本株、国内株式アクティブファンドの運用力上位は?

 6月30日は続落したものの、年初からの世界的な株安にあって日本株は底堅い。同29日時点の昨年末からの下落率は、日本を除く先進国株の動向を示す「MSCIコクサイ・インデックス(米ドルベース)」が−20.31%、新興国株の動向を示す「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(米ドルベース)」が−17.76%、NYダウが−14.61%であるのに対し、日経平均株価は−6.90%に留まる。世界の株式市場で金融引き締めによる景気減速懸念が一段と高まれば、日本株の底堅さがクローズアップされることもあり得よう。

 主な運用会社について、国内株式型アクティブファンドの運用力を確認した。国内株式に投資するアクティブファンド(通貨選択型除く)を対象として、運用会社別に、2022年5月末時点と5年前の2017年5月末時点のモーニングスターレーティングの平均値(残高加重ベース)を算出し、いずれの月も対象ファンドが5本以上である運用会社の中から、2022年5月末時点の平均値の上位5社を確認した。なお、レーティング付与対象ファンドには確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETFも含まれるが、一般の投資家が購入可能という観点から、いずれも除外して算出した。

 モーニングスターレーティングは運用期間3年以上のファンドを対象に、リスク調整後リターンがその属するモーニングスターカテゴリー内でどの水準にあるのかを5段階で示したものだ。最上位の5ツ星は、運用効率がカテゴリー内で最も優れている水準にあることを示す。

 算出の結果、トップはアセットマネジメントOneとなった。2022年5月末時点の平均値は3.90と5年前の3.36から上昇した。けん引役は「企業価値成長小型株ファンド」(愛称:眼力)。同ファンドは、利益成長の見込みが高いと判断した国内小型株に投資する。銘柄選定に際しては、将来のROEの水準や改善の可能性、経営の健全性、株価水準などを踏まえる。レーティングは付与開始翌月の2019年3月から2022年5月まで39カ月連続で5ツ星を獲得している。

 第2位は明治安田アセットマネジメント。2022年5月末時点の平均値は3.89と5年前の3.55から上昇した。2022年5月に2カ月ぶりに5ツ星を獲得した「新成長株ファンド」(愛称:グローイング・カバーズ)の寄与度が大きい。同ファンドは、経営上の課題・困難といった成長の壁を克服して新たな成長局面に入りつつあると判断した国内の「新成長企業」に投資する。運用に際しては、エンジェルジャパン・アセットマネジメントの助言を受ける。

 第3位には日興アセットマネジメントが入った。2022年5月末時点の平均値は3.59と5年前の3.42から上昇した。マザーファンドを同じくする「年金積立Jグロース」(愛称:つみたてJグロース)と「利益還元成長株オープン」(愛称:Jグロース)が2022年5月に5カ月連続で5ツ星を獲得している。両ファンドは、高い成長と株主への利益還元が期待できる国内企業に投資する。財務基盤、経営能力、事業環境、競争力などから勝ち組成長企業を選定する。

 第4位にはスパークス・アセット・マネジメント、第5位はPモルガン・アセット・マネジメントが入ったが、いずれも5年前から数値を落とした。スパークス・アセット・マネジメントは、2021年12月まで93カ月連続で5ツ星を獲得してきた「スパークス・新・国際優良日本株ファンド」(愛称:厳選投資)が2022年5月に3ツ星となったことが響いた。
提供:モーニングスター社
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