米モーニングスターの視点=株価急落の米金融株を組み入れない大型株ファンド、その戦略とは

 リーマン・ブラザーズの経営破たんなどで金融セクターの株価が大きく下落する中、弊社ではこうした金融株を全く含まないファンドを調査した。ファニーメイ(米連邦住宅抵当公社)、フレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)、AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの7銘柄を組み入れていない大型株ファンドをスクリーニングしたところ、約600件が該当した。
 このうち純資産総額トップ10の中には、「フェアホルム・ファンド」など、厳しい相場環境の中で年初から堅調なパフォーマンスを維持しているファンドが見つかった。同ファンドは米国の主要株価指数S&P500に比べて金融セクターの比率を大きくしていたものの、複雑なデリバティブ取引を多く手がけていたリーマンやAIGなどを除いていたことが功を奏した。金融セクターの銘柄を全く組み入れていないファンドも存在したほか、「CGMフォーカス」というファンドはいくつもの金融株を売り持ちする戦略が成功した。ただ、同ファンドはエネルギー株と素材株の比率を大きくしていたため、その分の下落でパフォーマンスが低下した。
 約600件の大型株ファンドのうち、割安株に投資する「バリュー型」は約90件となったが、これらのファンドは成長株に投資する「グロース型」よりも比較的好調な投資成績を残している。バリュー型の純資産総額トップを見ると、割安で配当利回りが高く、キャッシュフローが豊富で、バランスシートが健全な銘柄に投資するファンドが多い。こうした投資基準を持っていたことで、経営危機に陥った金融株がポートフォリオから除かれていたとみられる。「サウンド・ショア」と「パイオニア・エクイティ・インカム」というバリュー型ファンドは金融株を全体の20%ほど組み入れていたが、その多くは財務基盤が強固な商業銀行や保険会社だった。(2008年9月26日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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