米著名ファンドマネージャーが息巻く、「投資のチャンスは膨らみつつある」=米モーニングスター

 「パニックになってはいけない」――。世界の株式市場が大きく動揺していた10月初旬、バリュー投資で知られる「ロングリーフ・パートナーズ・ファンド」のベテランファンドマネージャーであるメイソン・ホーキンス氏とステーリー・ケイツ氏は顧客向け説明会の中でこう呼びかけた。彼らは各国株式が底入れに近づいていると考える合理的な根拠を持っていた。
 ホーキンス氏は世界経済が減速に向かっているという見方に対して、「全くそうは思わない」と反論した。人生において7回の弱気相場を経験しているホーキンス氏は、1930年代初頭の世界恐慌と現在を比較した。各国の関税引き上げで世界貿易が縮小し、銀行破たんが相次ぎ預金者が一文無しになるという当時の悲惨な状況に比べれば、自由貿易が維持され、預金保護が徹底している現代において悲観的になる必要はないという。
 むしろ、「投資のチャンスは膨らみつつある」とホーキンス氏は主張する。ロングリーフのファンドの銘柄は平均して本来価値の40%強という非常に割安な水準で取引されている。この数値は株価の下落局面でも65%から70%の水準にとどまるのが通常で、ITバブル崩壊後の2000年春を除けばロングリーフがファンドの運用を開始した1987年以来で最低水準となっている。
 両氏は、たとえ経済が深刻なリセッションに突入したとしても、ファンドのパフォーマンスは堅調に推移すると自信を示した。例えばフェデックスやサン・マイクロシステムズなどは不況時にコスト削減を進めたい企業の助けとなることで業績を向上させると分析している。また、不況になろうとも環境への問題意識は変わらないとして、天然ガス企業大手のチェサピーク・エナジーをはじめとする環境関連銘柄が投資家の注目を集めるだろうと述べた。さらに、ロングリーフのファンドは自社株買いを行っている企業を多く組み入れているという。 
 ロングリーフは07年に景気悪化が始まってからも有望な銘柄に重点的に投資していたが、相場が大きく低迷する10月初めにもさらに多額の資金を投じたとしている。(2008年10月14日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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