住信AMの「チャイナ・グッドカンパニー」、CSRの観点から銘柄選別し中国A株にも投資
住信アセットマネジメントが3月23日に設定・運用を開始した「チャイナ・グッドカンパニー」<2010032302>。住友信託銀行が取得したQFII(適格国外機関投資家)ライセンスの投資枠を用いて中国A株に投資することに加え、CSR(企業の社会的責任)の観点から企業を選別し、投資するファンドになる。販売会社は住友信託銀行、岡三証券、東洋証券、丸福証券。4月23日時点の純資産額は78億8200万円。年1回(3月15日)決算。また、6月30日まではクローズド期間となっており、換金はできない仕組みとなっている。
「チャイナ・グッドカンパニー」は、中国本土および香港市場上場の中国株式に投資する。投資対象市場は、上海B株、深センB株、香港H株やレッドチップに加え、外国人投資家による直接投資はQFII枠を活用した投資に限られている人民元建て株式(上海A株、深センA株)に投資することが大きな特徴となる。QFII枠自体は拡大傾向にあるものの、QFII枠はまだ一定の認可条件をクリアした一部の機関投資家のみが投資できる希少性の高い投資枠であり、日本では10機関(09年12月末時点)のみが取得しているという。09年12月に住友信託銀行ではQFII枠を5000万米ドル獲得、この枠を今回中国A株投資に充てる。
実質的な投資については、中国A株部分については「住信 中国A株SRIマザーファンド」を通じて、中国A株以外の中国株(中国B株、香港H株、レッドチップなど)への投資は「住信 中国株(除くA株)SRIマザーファンド」を通じて行う。中国A株市場は外国人投資家の投資枠は限られているが、時価総額が327兆円(09年12月末時点)、銘柄数は1678銘柄(同)を数え、他の中国株市場を圧倒している。特に、大規模な景気刺激策(総額4兆元)による恩恵が大きいとみられる内需関連や、インフラ関連企業の株式も多く上場している。
一方、銘柄選別においては、業績面の評価もさることながら、CSRの観点から企業を選別して投資対象とすることも大きな特徴となっている。住信AMではすでに、日本株を対象とし、CSRなどを基準に銘柄を選別する「住信 SRI・ジャパン・オープン」などを設定、運用している。同ファンドでも、日本総合研究所が現地調査会社を通じて実施するCSR企業調査を活用し、同社グループの住友信託銀行が、日本でのSRI(社会的責任投資)運用の経験を生かし、モデルポートフォリオ提示などの投資助言を行う。
具体的には、中国の調査会社が現地企業に対しCSRアンケートなどを実施し、日本総合研究所がそのデータを基に投資対象企業のスコアリングを行い、SRIユニバースを作成。さらに、スミトモトラスト ファイナンス(ホンコン)を通じて、グローバル金融グループ・アリアンツ社傘下で運用を手掛けるRCM社の企業調査情報を入手・活用して、住友信託銀行がモデルポートフォリオを構築。住信アセットマネジメントが運用を行う。銘柄選別の基礎となるCSRアンケートでは、経済的責任、法的責任、社会的責任、環境的責任を重視し、質問項目を作成している。「中国においてもCSRという考え方が除々に浸透してきており、CSRへの意識が高い企業も増えてきている。政府主導でCSRリポートの導入が図られ、07年は47社だったのに対し、10年には500社まで増加している」(株式運用部)という。
実際のポートフォリオについては、中国A株に投資する部分が30銘柄から40銘柄程度、中国A株以外に投資する部分は20銘柄から30銘柄と集中投資を行う。ボトムアップによる銘柄選択を通じてポートフォリオを構築するが、「知名度の高い大型銘柄のほか、中小型の銘柄も投資対象となっており、『成長性』を重視したポートフォリオになる」(同)としている。一方、業種別では当面は金融などが上位に入ってくる予定だが、中国の内需拡大の恩恵を受けるさまざまな銘柄にも投資し、分散を利かせた業種構成となる見通しだ。また、09年の中国企業の四半期決算をみると、A株市場上場の企業は20%から30%の増益を達成するなど依然として高い成長率を維持しており、株価指標でみても予想ベースのPERに割高感は出ていないという。
関心の強まっている人民元切り上げについては、具体的な時期は見定め難いものの6月下旬のG20(主要20カ国・地域、財務相・中央銀行総裁会議)を経て、7月に人民元切り上げ(変動幅拡大)に動く可能性があるとみている。
主な購入費用など
販売単位:販売会社によって異なる
販売手数料(上限、税込み):3.675%
信託報酬率(年、税込み):1.89%
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
「チャイナ・グッドカンパニー」は、中国本土および香港市場上場の中国株式に投資する。投資対象市場は、上海B株、深センB株、香港H株やレッドチップに加え、外国人投資家による直接投資はQFII枠を活用した投資に限られている人民元建て株式(上海A株、深センA株)に投資することが大きな特徴となる。QFII枠自体は拡大傾向にあるものの、QFII枠はまだ一定の認可条件をクリアした一部の機関投資家のみが投資できる希少性の高い投資枠であり、日本では10機関(09年12月末時点)のみが取得しているという。09年12月に住友信託銀行ではQFII枠を5000万米ドル獲得、この枠を今回中国A株投資に充てる。
実質的な投資については、中国A株部分については「住信 中国A株SRIマザーファンド」を通じて、中国A株以外の中国株(中国B株、香港H株、レッドチップなど)への投資は「住信 中国株(除くA株)SRIマザーファンド」を通じて行う。中国A株市場は外国人投資家の投資枠は限られているが、時価総額が327兆円(09年12月末時点)、銘柄数は1678銘柄(同)を数え、他の中国株市場を圧倒している。特に、大規模な景気刺激策(総額4兆元)による恩恵が大きいとみられる内需関連や、インフラ関連企業の株式も多く上場している。
一方、銘柄選別においては、業績面の評価もさることながら、CSRの観点から企業を選別して投資対象とすることも大きな特徴となっている。住信AMではすでに、日本株を対象とし、CSRなどを基準に銘柄を選別する「住信 SRI・ジャパン・オープン」などを設定、運用している。同ファンドでも、日本総合研究所が現地調査会社を通じて実施するCSR企業調査を活用し、同社グループの住友信託銀行が、日本でのSRI(社会的責任投資)運用の経験を生かし、モデルポートフォリオ提示などの投資助言を行う。
具体的には、中国の調査会社が現地企業に対しCSRアンケートなどを実施し、日本総合研究所がそのデータを基に投資対象企業のスコアリングを行い、SRIユニバースを作成。さらに、スミトモトラスト ファイナンス(ホンコン)を通じて、グローバル金融グループ・アリアンツ社傘下で運用を手掛けるRCM社の企業調査情報を入手・活用して、住友信託銀行がモデルポートフォリオを構築。住信アセットマネジメントが運用を行う。銘柄選別の基礎となるCSRアンケートでは、経済的責任、法的責任、社会的責任、環境的責任を重視し、質問項目を作成している。「中国においてもCSRという考え方が除々に浸透してきており、CSRへの意識が高い企業も増えてきている。政府主導でCSRリポートの導入が図られ、07年は47社だったのに対し、10年には500社まで増加している」(株式運用部)という。
実際のポートフォリオについては、中国A株に投資する部分が30銘柄から40銘柄程度、中国A株以外に投資する部分は20銘柄から30銘柄と集中投資を行う。ボトムアップによる銘柄選択を通じてポートフォリオを構築するが、「知名度の高い大型銘柄のほか、中小型の銘柄も投資対象となっており、『成長性』を重視したポートフォリオになる」(同)としている。一方、業種別では当面は金融などが上位に入ってくる予定だが、中国の内需拡大の恩恵を受けるさまざまな銘柄にも投資し、分散を利かせた業種構成となる見通しだ。また、09年の中国企業の四半期決算をみると、A株市場上場の企業は20%から30%の増益を達成するなど依然として高い成長率を維持しており、株価指標でみても予想ベースのPERに割高感は出ていないという。
関心の強まっている人民元切り上げについては、具体的な時期は見定め難いものの6月下旬のG20(主要20カ国・地域、財務相・中央銀行総裁会議)を経て、7月に人民元切り上げ(変動幅拡大)に動く可能性があるとみている。
主な購入費用など
販売単位:販売会社によって異なる
販売手数料(上限、税込み):3.675%
信託報酬率(年、税込み):1.89%
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社