中央三井AMが「オーストラリア公社債ファンド」設定、社債などを含めた幅広い豪ドル建て債券に投資(2)

 中央三井アセットマネジメントは5月31日、「オーストラリア公社債ファンド(愛称=オージーボンド)」<2010053105>を設定し、運用を開始した。他社も含めてオーストラリア債券を主要投資対象とするファンドは過去にも積極的に設定されているが、同ファンドでは今回、社債も含めた幅広い豪ドル建て債券に注目している。販売会社は中央三井信託銀行。毎月(原則20日)決算。6月3日時点の純資産額は4億6400万円。

 「オーストラリア公社債ファンド」の主要投資対象ファンドは、03年9月から設定・運用を開始している。10年2月末時点のポートフォリオの状況は、債券別構成比率は国債が6.8%に抑えられており、州政府債が34.4%、社債などが31.6%、国際機関/政府保証債など25.4%、モーゲージ証券/資産担保証券など1.7%となっている。
 一方、格付別でみると、「AAA」70.0%、「AA」15.4%、「A」10.8%、「BBB」3.9%となり、平均格付は「AA+」と比較的高めとなっている。また、最終利回りは6.0%、デュレーションは3.3年となっている。なお、投資を行う債券の格付は取得時において投資適格格付を付与されたものとしている。
 参考指数は、UBSオーストラリア債券インデックス(為替ヘッジなし、円換算ベース)になる。豪州では社債発行が活発化してきているが、大手金融などの社債発行が足元では特に盛んだという。同ファンドでもこうした社債などに注目するが、ウエスタン・アセットの社債投資の長年のノウハウを活用することに加え、分散投資することでリスクを低減する。実際、2月末時点でのポートフォリオの状況をみても、全体で142銘柄を組み入れるなど幅広い銘柄を組み入れている。

 08年のリーマン・ショックを契機とした世界的な金融危機の影響を大きく受けて、豪州以外の主要先進国が09年には実質GDP(国内総生産)成長率がマイナスに陥るなか、豪州の実質GDP成長率はプラスを維持。比較的堅調な経済成長を遂げている。また、他の先進諸国に先駆けて、政策金利の引き上げにも転じている。金融危機への対応として追加景気対策を行っているものの、他の主要先進国・地域と比較して低い債務残高(対名目GDP比)が柔軟な経済運営を可能にしているという。また、豪州の金利水準は他の主要先進国と比較して高めであるのに対し、格付も高い。
 一方で、ユーロ圏でソブリンリスク問題が意識されるなか、豪州の堅調な経済に注目が集まってきている。足元では、豪州為替や債券市場はボラタイルな展開となっているが、利上げ観測の後退で「豪ドルの上昇期待がはげ落ちた」(業務企画部)ことに加え(6月1日には豪州中央銀行が政策金利の据え置きを発表)、ユーロの問題によるリスク回避の動きも加わり豪ドルへの売りが強まったという。ただ、「現地マネジャーは、08年、09年の金融危機でも日米欧と豪州は異なり、豪州の景気は『減速した』程度との認識」(同)と語るなど、中・長期でみた豪州経済、ひいては豪州への投資への魅力は高いとしている。

主な購入費用など
申込単位、コース:分配金受け取りコース(1万円以上1円単位)、分配金再投資コース(1万円以上1円単位)
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年率、税込み):実質1.47%程度
信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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