ETF登場で「進化」した債券投資、「個人投資家により身近に」

 資産運用大手ブラックロックの債券部門ディレクターのマット・タッカー氏が9月16日、17日にシカゴで開催された米モーニングスターの「ETF・インベスト・カンファレンス」で講演した。債券を投資対象としたETF(上場投資信託)を組成するうえで運用会社がこれまでに直面した課題や投資家にとってのメリットについて語った。

 ETFの人気は過去10年間で急激に高まったものの、債券は流動性の問題がネックとなり、ETFの組成が当初は難しかった。タッカー氏は、「昔は多くの記事で、店頭取引の債券を組み込んで、それをETFのように機能させることはできないと論じられていた」と指摘した。

 しかし、流動性の問題などを乗り越えて債券ETFは誕生した。最近の債券ETFへの資金流入は、多くの投資家が一般的なファンドよりもETFにメリットを感じ始めていることの表れだとタッカー氏は述べた。プロの投資家は債券ETFが流動性などにおいて債券そのものへの投資に比べて優位性があることを理解している。「ETFは流動性があって売買がしやすく、分散投資ができる。投資家にとってすべての利点を兼ね備えた初めての金融商品だった」という。

 ETFは市場で取引されるため、注文を出してから実際に取引が成立するまでにかかる時間が短いことも特徴。また、多種多様な分野をカバーして債券ETFのラインアップが充実してきたことで、分散効果が低い従来の債券ファンドを持たざるを得ない状況もなくなりつつあるとしている。

 証券取引所の存在により投資家が株式市場にアクセス可能になったように、債券ETFの登場により「債券投資は個人投資家にとってより身近になった」とされる。
提供:モーニングスター社
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