国際投信が「米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)」シリーズ8ファンドを設定(2)

 国際投信投資顧問は9月27日、「米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)」シリーズ8ファンドの設定・運用を開始した。

 「米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)」の実質的な投資対象の米国のハイ・イールド債券とは、格付機関による格付けがBB以下の社債を指す。投資適格の債券と比較して、デフォルト(債務不履行)などのリスクが高くなっている分、国債などへの金利の上乗せが大きくなっている。このため、近年では日本でも投資対象としての関心が高まっている。一方、主要投資対象の米国ハイ・イールド債券市場をみると、08年のリーマン・ショック時には債券価格も大きく下落し、ハイ・イールド債券の発行も低迷したが、09年には米国景気の早期回復期待の高まりとともに、ハイ・イールド債券の価格も大きく上昇した。

 今後の米国経済について、底割れ懸念が浮上しているものの、国際投信は基本的には緩やかながらも回復を続けるとの見通しを示している。投資対象のハイ・イールド債券については、「09年は大きな債券価格の回復がみられたものの、過去の債券価格や利回りの推移を考慮すると、まだ割高な水準ではない。今後数年間、低いデフォルト率が続くとするならば、高い利回りも含めて魅力的な投資対象といえるのではないか」(外部委託運用部第一グループ)との見方だ。

 今後についても、米国債の利回りが低下するなかで、米国債と米ハイ・イールド債券の利回り差は縮小する見通しであり、ハイ・イールド債券への買いが強まるとみている。また、ハイ・イールド債券の発行市場においても、金利水準が低いことからリファイナンス(借入金の借り換え)の動きが活発化しており、ハイ・イールド債券自体の発行も増えており、デフォルトの可能性を低くすることにもつながっているという。

 主要投資先の投資信託証券を運用するJ.P.モルガン・インベストメント・マネージメント・インクは世界的な資産運用大手であり、ハイ・イールド債券の運用でも確かな実績を有している。今回の主要投資先の投資信託証券では、主としてBB格相当以下の格付けの社債に投資するが、一部無格付けの社債に投資する可能性がある。ただ、BBB相当以上の投資適格社債への投資割合は原則純資産総額の15%としている。今回、上記の制限以外の比較的リスクの高いハイ・イールド債券への投資については特段の投資制限は設けていない。

 J.P.モルガン・インベストメント・マネージメント・インクはハイ・イールド債券の調査体制が充実しており、加えてC格以下、格付けがされていない銘柄についての分析にも定評があることから、調査力を生かして幅広い銘柄の選別を行う方針だ。「格付け会社に投資判断を預けてしまうのではなく、自らの調査に基づいた判断で投資機会を得る」(同)ことを目指している。現状の米国ハイ・イールド債券市場については、金融機関の発行するハイ・イールド債券についてはやや慎重にみている一方で、ヘルスケアといった高齢化の進展などによって成長が期待でき、かつディフェンシブな特性も持つ銘柄には比較的強気の見方だ。

主な購入費用など
購入時手数料(上限、税込み):3.15%
運用管理費用(信託報酬率)(年、税込み):実質的に1.62%程度
信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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