＜全体は２カ月連続の純資金流入、ラップ口座は急ピッチの流入継続＞

　モーニングスターの独自推計によると、国内追加型株式投信（ＥＴＦ除く）は１５年１月に１兆１４６億円の純資金流入と、２カ月連続の純資金流入となった。１兆を超える純資金流入額は１４年１０月以来３カ月ぶり。海外株式、海外ＲＥＩＴ（不動産投資信託）、海外債券に投資するファンドがそれぞれ高水準の資金流入となった。また、ラップ口座専用ファンドは２４２５億円の純資金流入と、２カ月連続で２０００億円台の流入と引き続き人気が高く、全体の資金流入を押し上げている。

　国内投信における純資金流出入額をモーニングスター大分類別で見ると、流入額上位は、第１位が「国際株式型」３１７７億円、第２位は「国際ＲＥＩＴ型」１６３７億円、第３位は「国際債券型」１５２１億円となった。１４年１２月に続き、「評価対象外」を除くとすべての大分類が純資金流入を記録した。「国際株式型」は１３カ月連続で純資金流入を記録し、２カ月連続で３０００億円台の純資金流入と、高水準の流入が続いている。「国際ＲＥＩＴ」と「国際債券型」は１４年１１月に純資金流出となったが、その後２カ月連続での純資金流入となり、再び人気を集めている。

＜「国際債券・ハイイールド債（為替ヘッジなし）」は４カ月連続流出、２カ月連続の流出１位＞

　純資金流出入額をモーニングスターカテゴリー別でみると、流入額上位は、第１位が「国際株式・北米（為替ヘッジなし）」１２５０億円、第２位は「国際株式・グローバル・除く日本（為替ヘッジなし）」９０４億円、第３位は「国際ＲＥＩＴ・グローバル・含む日本（為替ヘッジなし）」８８４億円となった。「国際株式・北米（為替ヘッジなし）」は２カ月連続で流入額第１位となっており、先進国の中でも堅調な経済成長が期待される米国に投資するファンドが資金を集めている。

　一方、流出額上位は、第１位が「国際債券・ハイイールド債（為替ヘッジなし）」２８８億円、第２位は「国際債券・ハイイールド債（為替ヘッジあり）」１６７億円、第３位は「国際株式・中国（為替ヘッジなし）」１５９億円となった。「国際債券・ハイイールド債（為替ヘッジなし）」は４カ月連続の純資金流出で、２カ月連続の流出額第１位となった。原油安がエネルギー関連企業の社債の下落要因となるため、原油価格に底入れの様子が見えないなか、ハイ・イールド債ファンドに資金が集まりにくい状況が続いている。もっとも、「国際債券・ハイイールド債（為替ヘッジなし）」の純資金流出額は１４年１１月の１５２９億円、１２月の５９０億円と、徐々に減少しており、１４年２月は５カ月ぶりに純資金流入に転じるか注目される。

＜海外の高配当株に投資する毎月分配型ファンドが１−３位独占＞

　個別ファンドの純資金流出入額を見ると、流入額上位は、第１位が「ピクテ　新興国インカム株式（毎月決算型）」５２８億円、第２位は「野村　Ｇ高配当株プレミアム（通貨）毎月」４６５億円、第３位は「アジア・オセアニア好配当成長株（毎月）」４５９億円となった。「ピクテ　新興国インカム株式（毎月決算型）」は２カ月ぶりに首位を奪還した。上位３ファンドはいずれも高配当株に投資する毎月分配型ファンドとなる。国内外で金利低下が進むなか、利回りを求めた投資家の資金が向かったとみられる。

　一方、個別ファンドの流出額上位は、第１位が「ドイチェ・高配当インフラ関連株（米ドル）毎」３７０億円、第２位は「フィデリティ・ＵＳハイ・イールドＦ」１６６億円、第３位は「ＧＳ　ハイ・イールド・ボンド・ファンド」１３０億円となった。第１位は１４年１２月まで４カ月連続で「フィデリティ・ＵＳハイ・イールドＦ」だったが、１５年１月は「ドイチェ・高配当インフラ関連株（米ドル）毎」が第１位となった。いずれも純資産残高が１兆円を超えるファンドだが、昨年後半に純資金流出に転じ、１５年１月まで「フィデリティ・ＵＳハイ・イールドＦ」は６カ月連続、「ドイチェ・高配当インフラ関連株（米ドル）毎」は３カ月連続の純資金流出を記録した。

　一方、純資産残高第１位の「新光　ＵＳ−ＲＥＩＴオープン」と第２位の「ラサール・グローバルＲＥＩＴ（毎月分配型）」はいずれも１兆円ファンドだが、２カ月連続の純資金流入となっており、同じ１兆円ファンドでもＲＥＩＴ型は流入が継続し、それ以外は流出と明暗を分ける結果となっている。
提供：モーニングスター社