HSBCの「ゆめラップ」、リスクを抑えたマルチ・アセット戦略でカテゴリートップクラスの運用実績

 HSBC投信が設定・運用する「HSBCワールド・セレクション(愛称:ゆめラップ)」(安定コース)<201509250A>/(安定成長コース)<201509250B>/(成長コース)<201509250C>は、設定から1年間が経過し、9月末基準で過去1年間の運用成績が運用の効率性を示すシャープレシオがカテゴリー(成長)でトップクラスの成績だ。同ファンドを実質的に運用するHSBC Global Asset Management(UK)Limitedのシニア・プロダクト・スペシャリストのマイケ・ブリーベニッヒト氏にファンドの特徴と今後の展望を聞いた。

 ――「ゆめラップ」は総じて安定的な運用成績だが、運用の特徴は?

 世界的な低金利で預金利回りの運用ができなくなる中、「ゆめラップ」は、預金に代わるリスクを抑えた運用手段を提供することを目的にしている。資産減少は極力避けたいという投資家ニーズに応えるシリーズだ。

 世界の株式や債券、リートなどさまざまな資産に分散投資するポートフォリオで運用し、「安定コース」の目標リスク水準は年5%以下、「安定成長コース」は同5−8%、「成長コース」は同8−11%にしている。それぞれ目標とするリスク水準を保つために、配分資産の見直しを細かく実施している。

 また、海外資産について原則、為替ヘッジをしている。「ゆめラップ」が円高でも安定的なリターンを残している要因だ。ただ、新興国については為替ヘッジをしていない。将来は対円で新興国通貨高のメリットが得られるとみているためだ。したがって、ポートフォリオベースでは、外貨建て資産の80−85%を為替ヘッジしている状態になっている。

 ――運用プロセスは?

 3つのステップを踏んで、規律ある運用を行っている。まず、超長期のマクロ分析の結果等を踏まえて戦略的な資産配分を年1回程度の頻度で見直している。これは基本資産配分として、常に意識しながら運用している。

 次に、目標資産配分比率と呼ぶ戦術的な配分を決める。これは、各資産クラスのバリュエーションの経済環境、市場見通しの変化などで常時見直しているが、基本的に週1回の予備ミーティングと月1回のミーティングで決定している。

 そして、日々の売買執行を各資産クラスに効率的に行うこと、また、リスクのモニタリングによるリバランスを日次で実行している。

 この3つのステップで意思決定をする際には、HSBCグループが世界各地、そして資産クラスごとの専門チームから寄せられる調査分析に基づいて判断している。また、グループ内には資産運用部門に加え、証券会社もある。それらの両面から情報を得て、分析に生かすこともしている。グループの総合力を生かして運用している。

 規律ある運用を継続していくことが非常に重要だと考えている。ロンドンのマルチ・アセット運用チームは、常にチームで意思決定をしている。長期に安定した運用を行うためには、チームが機能していることが重要だ。

 また、先進国債券などアセットクラスごとに、「ハイ・イールド」「投資適格社債」などサブカテゴリーを設け、アセットクラスの中で分散投資していることも特徴だ。株式や不動産証券などでは、国・地域ごとに細かく管理して分散している。

 ――世界経済の見通しは?

 先進国は低位安定した景気回復が続く見通し。新興国は成長率にバラつきはあるが、中国は2017年も6.5%程度の経済成長が見込まれ、7%以上の成長が続くインドなど、アジアの成長が強いとみる。ブラジル、ロシアは2016年をボトムに17年は回復を見込む。一方、先進国のインフレ率は低位で推移する見通しで、政策金利も緩和傾向が続くだろう。

 世界株式にとってマクロ経済環境は良好だが、市場の価格変動率(ボラティリティ)が大きいため、株式への投資比率は「中立」としている。また、債券については、たとえば日本は10年国債利回りと株式の益回りが大きく開いて、株式の優位性が際立っているなど、世界的に債券の魅力度が低下している。従来は、先進国の国債が担ってきた安定性を、今では現金が担っているような状況も生じている。債券は基本配分からアンダーウエートにして、現金比率を高めている。

 先進国の低金利は、世界の投資家の資金を預金から投資へと向かわせ、「ゆめラップ」のようなリスクを管理するバランス型ファンドに資金が向かっている。「ゆめラップ」の残高も、安定した運用成績を評価していただき拡大している。引き続き、リスクを抑えた運用に努め、安定収益を求めるニーズに応えていきたい。
提供:モーニングスター社
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