しんきんアセットマネジメント投信が運用する「しんきんグローバル６資産ファンド（毎月決算型）」<2006061502>が１月末基準でモーニングスターレーティング最高格付け★★★★★になった。５年（年率）トータルリターンが１２．９９％と、カテゴリー（バランス）平均（１２．２３％）を上回り、長期で優れた成績を残している。リスク（標準偏差）は抑え、５年（年率）シャープレシオは１．２６と、カテゴリーで上位１０％以内に入る成績を残している。同ファンドについて、しんきんアセットマネジメント投信　運用部審議役　主任ファンドマネージャーの藤井祐吉氏に聞いた。

　――「しんきんグローバル６資産ファンド（毎月決算型）」は２０１２年５月以来５７カ月連続で４つ★以上になった。ファンドの仕組みは？

　国内外の株式・債券・ＲＥＩＴ（不動産投信）という、異なる６つの資産に、おおむね６分の１ずつ投資し、リバランスによって比率を維持している。

　６つの資産への投資はマザーファンドを通して行い、各マザーファンドは外国ＲＥＩＴを除きアクティブ運用している。外国債券は、「欧州ソブリン債」「米国ソブリン債」「高格付外国債券」という３つのマザーファンドで運用し、合計８つのマザーファンドを使っている。うち、外国株式による運用はシュローダー・インベストメント・マネジメント・リミテッド、外国ＲＥＩＴはブラックロック・ジャパンが行っているが、その他の資産に関してはインハウスで運用している。

　外貨建て資産への投資比率がおおむね５０％になり、この海外資産への投資については為替ヘッジを行っていない。また、株式・債券・ＲＥＩＴへの投資比率も３分の１ずつで、バランスのとれたポートフォリオになっている。

　――「しんきん３資産ファンド（毎月決算型）」<2005032302>（★★★★★、評価基準日：１月末）は１６年１月から１２カ月連続で５つ★と、貴社のバランスファンドに優れた運用成績が目立つ。バランスファンド運用のポイントは？

　３資産（国内株式・外国債券・国内ＲＥＩＴ）を３等分で投資する「しんきん３資産ファンド」や、６分の１ずつ投資する「しんきんグローバル６資産ファンド」という単純なカタチに落ち着いているが、株式は好配当利回り株、外国債券は３つのマザーファンドに分散投資するなど工夫をしている。

　そして、株式は「好配当利回り株」に投資しているため、世界的な低金利の影響から、好配当株式が選好されたことがパフォーマンスに明らかなプラス効果があった。

　一方、配分比率を維持するリバランスは、あまり頻繁に調整すると株式や債券の売買コストの負担が増えるため、過度なリバランスを行わないように調整している。バランスファンドの中で、資産配分比率を機動的に変更させるファンドが設定されているが、結果的にパフォーマンスの上では、３資産や６資産で配分比率を固定して持っているファンドの方が良い成績になっている。その理由の一つが、配分比率変更に伴う株式や債券の売買コストの積み上がりではないかと思う。

　――当面の運用環境の見方は？

　世界の景気は、全体として緩やかに回復が続くと期待される。米トランプ政権の景気刺激策と保護主義的な政策への期待と不安が交錯し、短期的には金融・資本市場が不安定になることも考えられるが、中期的には、株式市場は企業業績の回復期待から上昇が見込まれ、ＲＥＩＴも配当利回りの魅力から底堅く推移すると考えている。また、為替は米国の金利上昇を受けたドル高・円安基調が続くものと考え、為替ヘッジをしていない当ファンドには追い風になるだろう。

　ファンドは０６年６月の設定後にリーマン・ショックも経験し、一時は基準価額が６０００円を割り込む場面もあった。１７年１月末現在で、基準価額は８３４１円、分配金の累計は４３６０円となり、分配金を再投資したとして計算すると設定来の騰落率は＋５２．７０％になっている。

　リーマン・ショックのような極端なリスクオフ局面では、一時的に苦しい思いもするものの、５−１０年という期間で考えれば、しっかりしたパフォーマンスを残している。６資産に均等投資した場合、過去１０年を振り返ると３年連続でマイナスになったことはない。資産形成のコアに位置付け、長期にわたって積み立てていく資産として当ファンドをご検討いただきたい。
提供：モーニングスター社