海外“実力派”相次ぎ国内参入、現地では高レーティングファンドずらり

 海外で優れた実績を上げる“実力派”運用会社による国内投信市場への参入が相次いでいる。5月には、株式運用で定評がある米運用会社のティー・ロウ・プライスが日本で初めて設定した公募投信「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド」<2019052802>がシリーズ合計で700億円以上の流入超過となり関心を集めたが、それ以外の運用会社でも注目の動きが見られる。

 4月に大和証券投資信託委託が設定した「世界セレクティブ株式オープン」<2019041703>は、日本を除く世界の国際優良企業の株式に厳選投資するファンドで、オーストラリアの本拠を置くマゼラン・アセット・マネジメント・リミテッドが実質的な運用を行う。当ファンドはマゼラン・アセットが運用する日本初のファンドとなる。リスク調整後の相対的なパフォーマンスの優劣を5段階で測るモーニングスターレーティングで見たところ、19年5月末時点でレーティングが付与されているオーストラリア籍ファンド5本(最も古いシェアクラスが対象)は全て4ツ星以上と、良好な運用成績を達成しており、中でも世界株式に投資するファンド3本は全て5ツ星と高く、当ファンドにおいてもその実力が発揮されるか注目される。

 資金動向を見ても、19年4月は国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)が6100億円の流出超過となる厳しい状況の中、「世界セレクティブ株式オープン」は21億円の流入超過となり、同月設定ファンド15本の中でトップと、関心の高さを伺わせた。5月も31億円の流入超過となり、引き続き資金が流入している。

 また、18年に日本法人を設立した米運用会社ヌビーンの動きも目立つ。18年には、11月に傘下のエヌ・ダブリュー・キュー・インベストメント・マネジメント・カンパニーが実質的に運用する日本初のファンドとして「NWQグローバル厳選証券ファンド」<2018111602>シリーズが、12月には「NWQフレキシブル・インカムファンド」<2018120602>シリーズが設定された(それぞれ委託会社は、大和証券投資信託委託、三井住友トラスト・アセットマネジメント)。いずれも日本を含む世界の株式、債券などに分散投資するファンドで、同一企業が異なる種類の証券を発行する場合はリスク・リターンの優れた証券を選択する点が特徴となる。

 ヌビーンは米国籍オープンエンドファンド(ETF除く)のうち、19年5月末時点で6割以上(純資産残高ベース)を地方債が占めており、日本でも「米国地方債ファンド」<2016042806>シリーズ(委託会社は三井住友トラスト・アセットマネジメント)などを実質的に運用するなど実績があるが、地方債以外でも成績は優れる。19年5月末時点でヌビーンが運用する米国籍ファンド(最も古いシェアクラスが対象)の純資産残高トップ10を見ると、8本が4ツ星以上と良好なパフォーマンスだが、地方債は4本のみで、残りは優先株、不動産、バランス型、米小型株バリューと幅広い。
提供:モーニングスター社
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