ESGで銘柄選定し中長期的な成長をめざす「朝日ライフSRI社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)」

 オリックス銀行が投資信託発売1周年を記念して6月に開催した「ESG投資セミナー」で、朝日ライフアセットマネジメント投信事業部次長の坂田泰一氏が、同社が運用する「朝日ライフSRI社会貢献ファンド(愛称:あすのはね)」について特長と運用のポイントを説明した。講演の要旨は以下の通り。

<ESG投資の草分け的存在「あすのはね」>

 「朝日ライフSRI社会貢献ファンド」は、2000年に設定され長期で優れた運用実績を残しています。この分野で草分け的存在です。ファンドの特色は、ビジネスを通じて社会に貢献する企業の株式に投資します。たとえば、リフォーム業者は多数ありますが、地方に特化したリフォーム業者は、成長することによって、地方の人口減少の問題の抑制、空き家問題の解消にもつながっています。

 個別企業調査を基本とし、ボトムアップ戦略による銘柄選択を行います。中・長期的な視点に立って価値のある銘柄が大幅に割安になっている時に買って、企業価値の成熟とともに株価が上昇することを待ちます。

 銘柄選定にあたっては、企業価値が緩やかに上昇していることがポイントです。企業価値が急上昇するような場合は、その勢いが持続することは難しいといえます。緩やかに上昇していくとともに、株価が上昇していく企業を選ぶようにしています。

 そして、信託報酬の一部を社会的課題の解消に向けて活動する団体に寄付しています。純資産額の0.1%−0.2%を弊社が受け取る信託報酬の一部で寄付しています。

<なぜ、ESG投資なのか?>

 SRI投資は、古くからある投資手法です。そもそも欧米では、宗教的な要素から、武器、ギャンブル、タバコ、アルコールなどに関係する企業を投資対象から外すネガティブスクリーンという手法がありました。SRI投資は、社会や環境の側面をもつ企業を応援する投資手法ですが、現在では、ESG課題を考慮する部分について注目されるようになっています。

 SRI投資は、1999年に国連がグローバルコンパクトというものを企業に対して提唱したことに始まります。人権、環境権、労働、腐敗防止に関する10原則を企業に対して実践するように要請しました。

 そして、2006年に国連が提唱したPRI(責任投資原則)によって、機関投資家に対して、投資行動にESGの課題を取り入れるようになりました。PRIは、法的な拘束力を持たない原則なのですが、世界中の多くの機関投資家が自発的に署名しました。当ファンドでは長期的なパフォーマンスを高めるために、設定来、ESGの考え方を取り入れて運用しています。

 銘柄選定にあたって、投資する銘柄を絞り込む際にESGの観点を取り入れています。ベルギーにある社会的責任投資専門調査機関のヴィジオ・ベルギー社の協力を得て、環境、雇用、顧客対応、市民社会貢献、企業理念・法令順守などについて、企業のステークホルダーの視点から調査・分析・評価を行います。

<投資銘柄の選定で使う2つの軸と銘柄格付け>

 企業価値分析を行う上で、銘柄格付けを行っています。銘柄の格付けは、将来の収益力を反映した企業価値の評価がポイントになります。「事業の魅力度」「競争の優位性」という2つの軸で見ています。

 事業の魅力度は、「そもそも儲かる業界なのか」「その業界に成長性があるのか」を判断します。具体的には市場環境と事業特性から、競合他社分析をし、さらに、環境・社会の観点から、ビジネスチャンスとリスクを全体的にみて、魅力度を分析しています。競争の優位性では、財務分析、企業業績の成長の推移、その要因、そして、コーポレートガバナンスを分析し、競争相手に勝ち続ける仕組みはなんなのかを見ていきます。銘柄格付けは、ABCの3段階で格付けし、原則、A銘柄にのみ投資します。

 また、企業の経営が持続的な企業価値の向上に結び付いているかどうかを見極めるため、「資本効率」「株主還元」「リクスマネジメント」という3つの分野に注目しています。

 資本効率では、ROIC(投下資本利益率)を使って、本業に投下した資本をどれだけ効率よく使ってキャッシュを生み出しているかを測ります。ROICの水準を低下させないように、将来のリスクを見極めてちゃんと対応しているか、その準備ができているかを見ています。

 ファンドの運用実績は、年度別リターンをみると、ESGの観点を取り入れることによって結果として下落に強いという性格ができています。ぜひ、長期で投資を考えるファンドとしてご検討ください。
提供:モーニングスター社
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